【POPの使い方 キャッチフレーズ】

POP混在の時期の注意 POPでお客様は商材の情報を取ります

 POPの役割を簡単に言うと、「物言わない販売員」として理解して良いのではありませんか。私がこの業界に入った時にはそう教えてもらいました。

 今でもPOPは皆さん利用しますし、表示の中身は今の方が多岐に渡っていると思います。

 1月の下旬にもなると、セールPOPやオフ率で30%OFFとか50%OFFとかのPOPもある中、「NEW ARIVAL」の新作入荷のPOPも出てきます。「新作」という言葉のPOPもあります。

 日常的に、「ショップ一押し」とか、「売れ筋NO.1」とか、「今週の人気アイテム」とか色々なPOPを掲出して、お客様に読んで頂けるように工夫をしているショップも多いかと思います。

 その中で、混在する時期の対応について、話したいと思います。

 もとは、スタッフが不在でもPOPを読むだけでその商材の中身を伝える訳ですから、セール期にはPOPの内容がセールとプロパーの商材が混ざらない置き方を考えるべきです。

 お客様にとって選びやすくするには、きっちりと展開を分けて、POP掲出する事がお客様の為です。

 特にセール期は、商材そのものに色々な要素があっても、価格を下げているという価格のプロモーションで売ろうとしているので、他の要素を盛り込むのは分かりづらいです。

 セールで売っているなら、「売れ筋NO1」などのPOPは不要です。

 混在期について、正価物つまりプロパー商材では、新作を販売するのですから、商材について、しっかりPOPで売り出しの文句を盛り込んで良いと思います。

 新しく入荷した商材のワンポイントの説明をして、お客様に興味を持ってもらうのです。

 ファッションではなく、食の話の例です。売り出しの言葉、キャッチフレーズの違いについて、興味深い話を聞きました。話をしてくれたのは在阪の有力百貨店の食品担当の役員の方からです。

 材料にこだわった少し価格の高い豆腐があったそうです。その豆腐の売り方として、POPに材料の確保の仕方や、大豆の育て方など、しっかり説明文があって、価格表示をしているスーパーがあったとの事で、そのスーパーは全国展開のチェーンのスーパーなのだそうです。

 しかし、とある地域、地場のスーパーで注目の会社があり、前述の大手スーパーのすぐ近くに店を構え、大手スーパーからお客様を引っ張ってくるという手法で商売をしている会社があるとのことでした。

 その地場のスーパーは同じ豆腐のPOPに「この豆腐なぜ高い?」と先頭に書いてあるのだとか。お客様はそのキャッチフレーズに目を止めて、じっくり書いてあることを読んで、買物カゴに入れていくのだそうです。

 同じ商品でありながら、大手スーパーだと素通りで、地場のスーパーでは多くの方の買い物カゴに入れるという違い。この違いを生んでいるのがキャッチフレーズを工夫したPOPだとの解説でした。

 また、その役員の方は自分のスィーツ売場(ケーキ)で、「おひとつ用の箱あります(無料)」という掲示をして、各取引先にひとつ用の箱を用意させたそうです。

 取引先がその要請を受けた時の反応は、そんなことしたら、複数買いのお客様が一つだけ買って帰ってしまうので、単価が下がって、売り上げが落ちる、というものだったそうです。

 その役員の意見は、今はケーキ一つとっても、自分が頑張った褒美にとか、ちょっと甘いものを食べたいとか、必ずしも家族団らんで食べるライフスタイルではなく、一人で暮らしをしていても百貨店で買ったケーキを食べたい人が増えているのではという仮説からの要請だったとの事。

 マーケティングした上での話だったそうです。結果は、おひとり様用の分の売上が向上して、実績が大きく伸びたそうです。

 この例によらず、POPでの説明文やキャッチフレーズによって同じ商材が売れたり売れなかったりするのは少なからず経験値があります。

 であるなら、分かりやすく、お客様に響きやすい文言を利用して商材の訴求を行った方が良いと思います。

 そんな事例を聞くに及んで、そもそものPOPの混在時期に、混在としか言いようのないようなPOP掲出を見るにあったって、修正すべきと訴えています。

 分かりやすさ、「見やすく買いやすい」という前提に立って、POP掲出に関しても注意すべきと思います。

 皆さんのショップではいかがですか?売れ行きを左右するほどのキャッチコピーは無くても、どこにどんな商材があるかのPOPの掲出はできていますか?

 同時に、お客様の反応がPOPで誤解されるようなら、お客様にとってNGなのだと理解して欲しいです。

 もちろん、分かりやすいキャッチフレーズをPOPに書けるなら、そうすべきです。接客時の売りの言葉で商材の特徴や良さを伝えてみてはいかがですか?

 事例の通りですが、巨大百貨店でさえ、キャッチフレーズの有効利用で実績が伸びる訳ですから、その取組で実績が上がると見込めるなら、実施しない理由はないと思います。

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