【営業分析 商品力 営業力 現場力(販売技術や売る力)】

ショップの状態を分析して課題を認識してみよう。戦い方が見つかります。

 ショップの力を分析して、大きく課題を抽出する時の考え方です。「商品力」「営業力」「現場力」で分類すると、現状の課題が見やすくなります。

 「商品力」は商品そのものの持つ力の話しです。前年は商品の程よいトレンド感が受けたけど、今年は、トレンド要素がきつすぎて、一般受けしない、その分実績が下がったとか、前年はスカート丈のバリエーションがあった、今年は丈変化がなく短めなので、蹴られてしまうとかが例になると思います。

 商材の変化で、トレンド情報と大きく異なるとか、マーケットの変化や前年の反省を生かせずに同様のラインアップになっているとか、商材を反省する要素が原因で実績不振となることは沢山あると思います。

 ただ、すべてがターゲットからずれるという事は無いので、本社にその事情を話すと、商材の中から動くものを見つけ、動くものをしっかり販売して、実績を保って欲しいと返事が来るのではないでしょうか。実績不振時の理由で「商品力」。分かりやすい課題かと思います。

 「営業力」が課題になる時もあります。この営業力は、館の力もそうですし、本社の計画や、営業担当者の協力体制でも変化が出てくることがあります。営業して販売を促進する力です。

 館のプロモーションがなくなったとか、5倍ポイントの訴求が、本年は2倍になったとか、本社のコートフェアがなくなり、SNS系のプロモーションになったとか、本社営業担当が変わり、前年の担当者は個店の施策を認めてくれたのに、今年の営業担当は認めてくれず、実施できないとか、様々な変更があると思います。

 特に販促策であるプロモーションの変更は来店客数を大きく変化させ実績に影響します。プロモーションをやるやらないは自社の計画もそうですが、館の計画でも影響の出るところ。計画を確認して、前年と予算とを見ながら、今年のショップ計画を立てないと実績が取れません。

 「営業力」の変化は、個店の売上アップの要素をごっそり奪うこともあるので、要注意です。更に、ショップ現場の動きで返せる事ではないので、起こった後の対策が重要です。

 それには、本社にしろ館にしろ、コミュニケーションの窓口を複数持つなど日頃の取組が大事です。窓口が複数あることで、役職なり、影響力なりでショップにとって尽力してくれる力を獲得する可能性が広がります。

 「現場力」はまさに現場の力。売る力や運営の力です。売る力は思いも寄らず変化します。人事異動で売るのが上手なサブが異動し、3番手が昇職して、売る力そのものが下がったとか。人員不足で、4月の新人でその不足分を全て補ったので、運営はできるが売る力が下がって売上が下落したとか。

 運営で、VMDの上手なスタッフを担当にしていたが、今年はそのスタッフが退社したので別のスタッフに担当変更したところ、上手くゆかず入店客数が落ち、売上が下がったなど、現場にまつわる影響は色々と想像がつくと思います。

 大きく課題を分析する際には、そうした「商品力」「営業力」「現場力」の3つの項目でみると分かりやすいです。何を失い、何を獲得したのかで、実績が上がったり、下がったりします。

 場合によってはプラスの要素ばかりを獲得することもあります。その時には、来年の状況も予測しながら、そのいい状態が継続できる様に本社に強力に状況の維持を話すべきです。

 マイナスの要素が抽出されてばかりの時もありますが、この時こそ、援助の信号をしっかり出し、本社以外にも、館の担当者の力を借りるべきです。みすみす数字を落とす状況からでも、なりふり構わずプラスの要素を獲得して欲しいです。

 そうでないと、ただ実績を落とすだけになり、そんな時本社の担当はショップ個別の事情を鑑みてくれないものです。悪いのはショップの店長という様な事になりかねません。もしそんな状況に身を置くなら、仕事が嫌になってしまいますよね。

 できるなら、この3項目の変化をしっかり認識し、ビハインドの状況に身を置かないよう事前に関係部署に答申すべきです。戦術の部分より戦略に近い発想かもしれません。

 勝てないまでも負けなようにショップのコンディションを整えるのには、準備も必要です。本社から、または館からの営業計画を核にしながら、自ショップの分析を行ってください。

 ショップスタッフさんの中には、「本社は色々手伝ってくれて、やって欲しいことは対応してくれるので、あとは現場です。悪い結果なら現場がもう少しでも頑張らなくてはいけないのです・・・」という考えのスタッフさんもいます。

 しかしながら、冷徹な分析の結果、「商品力」なのか、「営業力」なのか、「現場力(運営や売る力)」なのか認識が必要です。

 項目を分けて考えるのは、リカバリーのアプローチが異なるからです。一つ一つ、項目を拾っていって、なるべくいい状態で、お客様と向き合って下さい。

 運営の状態が悪いと、スタッフさん達特に店長やサブの方は、何らかのストレスを抱えて、その状態で現場に立つことになります。その心理は知らず知らずに内にお客様には伝わります。

 皆さんは楽しいと思ってこの業界に入ってきたと思います。その楽しい様子をしっかりお客様に伝えませんか?その為にも事前の分析でストレスになったり、運営が後手に回らないよう注意していた方が有利です。

 「商品力」「営業力」「現場力」でどこに有利な点、不利な点があるか、その対策を怠らない様にしましょう。きっと事前の準備は奏功すると思います。

 また、今後はこうしたマイナスの状況にどう対応するのが解決に直結するか、このブログで書いていこうと思っております。

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