このクレーム、本当に店頭や商品の責任?

 クレームにも様々なものがあります。

 クレジットカード決済のサインについて。

 かつて、世の中には夫のクレジットカードで買い物をする奥様がいました。当時はよく見かける光景で、あまり驚くようなことではありませんでした。時間の経過と共にクレジットカード会社がカード所有者の利用について厳しくして欲しいと通達してくるようになります。それは例え夫婦であっても例外ではありません。(家族カードもりますし・・・)

 そんな、決済のサインをだれがするのかというのが厳しく言われ始めた頃のことです。ショップでは、カード会社の通達に基づき、夫のカードを利用しようとしたお客様(奥様)に事の次第を説明しご購入方法を変更するか、後日のご来店、配送(代引き)でのご決済等を説明したそうです。

 すると、そのお客様はどうしても納得がいかず、どこでも通用している利用方法なのに、ここではなぜ夫のカードのサインが自分ではだめなのかと引き下がらなかったそうです。

 押し問答を繰り返し時間が経つうちに、スタッフの方が根負けしてしまい、お受けしますと承ったそうです。

 店頭の自己判断というのは怖いもので、こうした決め事は、商業施設や百貨店、もちろんショップで決めているのではなく、カード会社とお客様の契約で成り立っているもの。それを曲げてほしいというなら、お客様がカード会社と話すしか方法ないというのが本来です。

 実はこのことがクレームのきっかけになるのです。翌日に営業事務所に連絡が入ります。

 「お宅で買い物したのだけれど、高い買い物をしたと夫に叱責された。クレジットカードが夫のものだから夫にばれた。クレジットカードが本人のものでないと利用できないと、しっかりショップが言ってくれれば私は夫に叱られることはなかった。買った物は返品したい。返品に家まで来てくれ」

 という内容です(電話終了後に、現場にヒアリングをしてこの時のご決済のことを最初に記したように確認します)。結果、運営責任者として私がお客様のご自宅まで行くことになります。

 このとき後にも先にも珍しい対応をされます。電話では「その時使ったクレジットカードとポイントカードを玄関先に置いておくから、勝手に手続きして帰って欲しい、そちらの顔も見たくない」という要望が追加されていたのです。

 ご自宅に到着すると確かに、玄関先に台が置かれ、その上にカードが置いてあります。手続きはしたものの、職業柄クレジットカードを外に置き放ちにはもどうしてもできず、チャイムを鳴らしてしまいます。お詫びと手続き終了と、カードは大事なものなので手渡しで戻したい旨申し上げました。

 これも相手にとっては要望無視の商業施設スタッフの自己判断と映ったのでしょうか?

 1時間半ほどかかり帰店すると、私がチャイムを鳴らしたこと自体がクレームとなって電話が入っていました。(こちらは電話を取った上司のところで収まりました)(乱暴な感は否めませんが、カードを野ざらしのまま、そのまま帰店すきだったのでしょうか?盗まれたらどうなったでしょうか?)

 夫からの叱責は決して商業施設の責ではありませんし、ショップスタッフは根負けしたとは言え、兎に角決済に関してはルール通りにして欲しいとお願いし続けたのです。

 商業施設でご要望に対応しましたが、どこに責任があるのか考えさせられるクレーム事案でした。またサービスの範囲についても考えさせられる事案だと思います。

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