入店のしやすさ

 お客様が入って来ない。導線面には少ないながら、回遊客はいるものです。それでも中々入店に繋がりません。

 そもそもお客様交通量が少ない区画のショップなら、1客1客を大事にしたいもの。それなりに通行量がある区画はうらやましいです。

 「お客様が、入りやすくしましょう!」そんなかけ声はどこにでもあります。現場では、ショップ運営で言われる入りやすさを一つ一つ叶えていくしかありません。

 手法は色々ありますが、例を一つ。什器の置き方や配置の話です。

 什器を通路導線に沿って配置すると、前面がそろって綺麗に見えます。それでもVMD上の什器配置では、引き込みスペースを作りましょうと提唱しています。

 その昔は、セットバックなんて言った時期もありました。今は引き込みスペースという言い方で良いと思います。

 什器の置き方として、お客様が一歩踏み出すスペースをあらかじめ作っておくのです。これは簡単。什器を斜めに置いたり、陳列でできた列の一部を後ろに引いて配置したりすればOK。

 その引いたスペースこそが、お客様が一歩踏み込むスペースになります。これは教科書的な教えで、基本です。

 入店客を増やしたいし欲しいと思うなら、そんな基本を一つ一つ実施して、素通り客の足が止まるように工夫したら良いと思います。

 簡単な事ですが、いざ始めるとなると結構躊躇します。やっていないショップが実施すると違和感を感じるのでしょう。ただ基本であることを忘れないで下さい。

 導線に沿って綺麗に配置できると整理整頓できたように感じるかもしれません。でも長くこの業界に携わる人間からすると、「什器でお客様をはじき返している!」と思うだけ。実際そうですし。

 すぐできる基本にはこだわりたいですね。

導線に沿っての配置は一見綺麗ですが、什器配置でお客様を跳ね返したり、そのまま導線に沿わせて歩かせてしまいます。
1箇所でも後ろに下げて、引き込みスペースをつくることで入店を増やします。

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