【前任者否定】
改装後の修正ができない
大規模に改装をすると、全て上手くいく訳ではなく、上手くいかないところが出ます。
この売上が上がらない理由を考え修正するのが次のステップ。日常の業務と同じ、仮説があり検証があります。
改装したら、お客様の支持が集まり、今までより上手くいくと思うから投資します。○○したら上手くいくという想定が仮説です。
仮説を立てるために、マーケットの調査やお客様のライフスタイルの変化、数値の経緯など徹底的に調べます。
それで改装を実施しても、全て上手くいく訳ではないのです。なので、仮説を遡ってどこを修正すべきか考え実施します。
仮説と検証で、改善案立案、実施です。
こうした大規模な投資は経営判断と表裏一体。経営者の理解が無くてはできません。
現場で感じる不具合を改装によって改善するのです。社内で正しく提案し、投資判断をしてもらいます。それで改装実施。
そして、その時の経営者は大規模改装という役割を終了となり、新しい経営者にバトンタッチなんてことも多くあります。
経営者が変ると、前任者とは判断が大きく変わります。仮説と検証、リテールマーチャンダイジングの基礎の考察はありません。
「上手くいっていないなら、失敗だよね」となります。簡単に言えば、前任者否定です。
一定の方向性で大規模改装したのに修正しその方向性での改装が完結しません。
「画竜点睛を欠く」なんてことばがありますが、完成させてくれないのです。完成していないのですから、機能するはずありません。お客様のご支持も完全とはいきません。
継続した投資が叶わなければ、フロアは修正点を抱えたまま運営することになります。徐々に小さなひびが大きくなり、奮わないフロアになります。
修正しないのですから当たり前なのですが、経営者は経営の専門家であって、営業の専門家ではありません。そんな現場の事柄を理解しません。
大規模改装が間違っていたのだから、別の方法で回復させましょうとなり、検証もせずに前回改装が悪となるのです。
こうして、お客様にとって何がしたいかわからない商業施設ができます。揺れ始めるのです。
この時、おかしな状態でも、商業施設を支えてくれるのがお客様。特にヘビーユーザー。
しかし、前任の判断の否定が始まっていますから、上顧客が離れるような判断も出てきます。かつての判断を選択肢からはずから。
誰のための商業施設でしょうか? 誰の利便なり、実需品なり、贅沢品を提供しようとしているのでしょう?
お客様から離れ、経営の中だけで判断すると、右を向いたり左を向いたり、現場は混乱し、疲れます。
仮説と検証くらいしてもいいですよね。