【利益をだせ!】
何の専門家?
「大きなコンサルティング会社から経営者が来て、経営の立て直しをする」としたら、経営者も専門職です。
「経営職人」とでも表現できますでしょうか。
その他、サービスにはサービスの、売るには売る事の、物を選ぶには物の専門家がいます。会社内のスタッフなら、社内皆んなが認識しているそのスタッフの得意にいしてる事とも言えます。
でも、経営の立て直しで招聘される人って、そもそも経営を専門にするって、何が得意なんでしょう。
経営判断で、永続的に利益が出せればそれでいいのでしょうか?それとも今は赤字でも、将来の継続的な事業のために辛抱するのが良いのでしょうか?
代々続く創業者一族なら先々を考えるざるを得ないでしょうし、雇われ社長か、本社から子会社にきた社長なら、もしかしたら自分の任期の間の利益しか興味がないかもしれません。
企業30年説なんてどこでも語られますが、創業時の熱い思いを継続するのは難しいものなのでしょう。
全ての社員の生活やバックボーンを背負い、それでも社の意思決定をするわけですから、経営者家業とは何と過酷な仕事かと思います。
それでも、自分の任期だけとか、明日明後日の利益さえ出れば10年後なんて考えませんなんて事では、下で働くものはやってられません。
社長が変わるたびに方針が変わり、社内で向いている方角がコロコロ変われば、社内は疲弊するのみです。
スタッフも離れがちになったり、中間層が異常に疲れていたり、残っているスタッフほど生産性が低い割に悪口、愚痴だらけとなるでしょう。
「創業は易く、守成は難し」という言葉があります。
創業時の方針や目標、存在意義がしっかり継続できるなら、時代に合わせた変化も、適者生存のための決断も、皆んな納得するでしょう。
シャネルというブランドがあります。シャネルにはメンズがありません。レディスのみのビジネスです。
メンズのビジネスを始めればきっと利益も出るでしょうし、男性への認知も更に向上するでしょう。
ただ、創業者のココシャネルの考えを継承した今の経営者は、経営哲学として、ココシャネルがしないだろうという事はしない、と聞いたことがあります。
社の哲学であり、社風なのだと思います。揺るがないトップの哲学です。会社の継続的な繁栄なり、利益を考える時、ただただ利益を求めるだけではない好例です。
経営哲学は考え方で、目には見えません。しかし、見えるところに大きく影響します。その会社の関係者(ステークホルダー)を束(たば)ねる、大事な束ねかと思います。