【商品を科学する】

商品分類

 科学というと、どう感じますか?科学は、誰がやっても同じ結果になるときに、初めて科学と言います。人によって結果が変わったら、公理でも定理でもないです。

 商品はどうでしょうか?「かわいい」とか、「かっこいい」とか、「エレガントだ」とか人によって受け取り方が異なる言葉で表現していませんか。

 これを、誰がどう聞いても同じものが頭に浮かぶ様に言葉で説明できることが商品分類です。その商品を定義つける決定的な要素で、語ります。

 その際には、共通言語として、それにまつわる言葉を使います。もちろん誤解しようのない言葉です。ファッション業界の共通言語です。

 袖が明き見せでボタン数が4つ、仕上げは額縁仕上げといえば、それ以外にはなりません。明き見せの仕様は本切羽仕上げではないですし、筒袖でもありません。

 ジャケットの前身頃左右にポケットが1つづ、フラップ付きで、スラントですと言っているのに、パッチポケットを想像する人はいないでしょう。

 そうして、服の要素全てを語り、商品を説明します。順番は、商品を形作る要素で大きなものからです。

 ジャケットなら、袷が一番でしょう。買い物で、ダブルのジャケットを買う目的があるのに、シングルを買う人はいないでしょう。袷のダブル、シングルは服を形作る要素として大きい要素です。

 ワイシャツなら、衿型、前立て、衿腰の高さ、袖の仕様は最初に分類すべきで、商品を形作る大きな要素です。

 また、その分類する順番も時代によって変わります。マーケットの変化の影響です。そのアイテムにとって、何が関心事なのか、大事なのかで変化します。時代によって、袖丈の分類が優先したり、着丈の分類が優先したりします。

 例えば、かつて、女性のシャツはノースリーブ、フレンチスリーブ、半袖、長袖のどれかが袖丈分類での中身でした。そんな時に7部袖が売り出され、売れたりすると、袖丈の7部というのが分類の中身に追加され、項目として優先されます。

 店頭では、その分類に基づき、物が作られ、どこもかしこも7部袖だらけになるといった事もありました。

 分類がしっかりできると、売れ筋の商品の特徴が分かります。分類項目の何がどうなっているから、売れるのだと分かる訳です。もちろん売れない時も一緒です。

 ものを感性で語るとき、「かわいい」のはどこのどの部分がどうなっているのをもって、「かわいい」と言っています、というところまで商品について話せると誤解が少なく、精度の高い商売説明ができます。

 商品知識は学んで下さい。そしてその知識を使って分類をします。その分類の分類表を頭に作り、常に時代とともに更新します。商品を科学しましょう。

 ファッションは、科学が半分、感性が半分です。

Follow me!