【主力商品 急な展開 初めての商品】

急に市場で勢いのあるカテゴリーの展開がはじまる

 ショップの皆さんの力では変えられない話です、急にブランドの特徴、強いアイテムとは全く別のカテゴリーの商材の展開など、商品の幅がどんどん広がる時には、注意が必要という話です。

 例え話がないと分かりづらいかもしません。注意が必要というのは、本社の決定に振り回されないよう冷静に対応するのが良いのでは、という意味です。

 主力の商材が靴下、ストッキングなどの足回りのショップがあったとします。このショップが、新業態を作り、子供の靴下、メンズの靴下、婦人洋品(ファンデーションやホームウェアなど)のカテゴリーまで広げた品揃えになったり、その既存店にも、新商材の展開の指示、展開カテゴリーの幅拡大の指示が来たりした時どう思うか。

 レディスの足回り中心に接客をしていたら、子供用については代理購買なので接客相手は変わりません。メンズはどうでしょうか?急に男性客をお相手するようになったら。

 女性と男性とでは接客で求めるものが自然と異なります。対応する方もその違いを正しく理解しないと接客を行ってもしっくりといかないことが多いです。

 例えば複合店。レディス・メンズを共に品揃えするショップでも、担当を分けていたり、スタッフさんの得意不得意で、どちらの展開カテゴリー区画で過ごすか?過ごす時間の長短があったりする場面をよく見かけます。

 その他にも、デニムを軸にしたショップでデニムとのコーディネートできるカジュアル商材中心の展開で人気があるとします。そのブランドが急にホームウェアやナイティ(パジャマ)を置いたり、ヨガウェアを展開したりしたらどうでしょう?

 ホームウェアとカジュアルウェアとでは、消費の仕方も異なります。新カテゴリーの商品は、そのブランドのターゲットのライフスタイルの幅に沿ったものなら分かりやすいです。「主力商材のデニムを好むお客様のホームウェアとはこれだ!」という意味です。

 ただ、概ね展開を始めると、ターゲットを強く意識しているというより、展開カテゴリーのホームウェアとして整合性を保とうという意識が強くなります。

 そういう意味で、単純な新カテゴリー展開となり、ショップの一区画が急に買い回りを見込めない用品ショップ然となることがあります。そのような展開で、本業で展開してる用品ブランドショップに勝てるでしょうか?競合できるでしょうか?

 ヨガウェアでも同様です。ヨガ経験者が来店するわけですし、ビギナーの方々が来店するなら、カウンセリングの要素も出ます。急に接客の特性を変えざるを得ないなら、販売現場は困るだけです。でも展開はスタートしてしまいます。

 極端な例ですが、婦人用品のブランドが急にデニムがはやったからと言って、デニムを展開したりしないでしょ。もちろんそうなっても、お客様は買いづらいです。比較購買も関連販売も何もないわ訳ですから。つまりは、そんなことが言いたいのです。

 私も似たような経験があります。フォーマルの催事を企画していた時でした。売上を上げるためにカテゴリー違いの品揃えをして、別のご用向きのお客様をお迎えすれば、その分は実績補強になると。そう思い、フォーマル催事に別の要素を挿しこみました。

 その時に品揃えしたのはダンスウェアです。ただ、会期中私がダンスウェアを接客することはありませんでした。企画としては大当たりしたのですが、私がダンス経験者でなく、経験者に着こなしをアドバイスできないからです。買い回りもありません。単なる一企画でしかありませんでした。

 逆に、フォーマル商材は自身の扱い品目です。その分野を学んでいましたから売場を守れます。ブランドの垣根を越えて接客できます。

 新企画は挑戦の企画でしたが、やはり初カテゴリーの接客は難しいと思いました。売場のメンバーも同様です。その後、反省として関連のないカテゴリー展開より、主力の品揃えと親和性のあるカテゴリー商材を探すようになります。

 今回言いたいのは、そんな風に現場が混乱したり、苦慮したりするようなことを実施するのは得策ではないと言いたいのです。

 それでも、最近そんな取引先の動きを見かけたりします。ショップの状態が悪い時の特徴ではと思います。単純にお客様の幅さえ広がれば、実績が向上すると。

 現場の困惑や、場合によっては混乱が起きるなら、お客様がそんな運営をしているショップで買いやすいと感じくれるとは思えません。誰のための商品の幅なのか考え抜いて欲しいものです。

 もう一つ、逆の面もあります。良いコンディションで同じように新カテゴリーに挑戦するブランドがあることを忘れてはいけません。

 ブランド趨勢、勢いがある時に、お客様の要望を前提にカテゴリーに幅を持たせ展開の幅を拡大するブランドがあります。そういう先は、上手く行くんですよね。不思議なものです。

 やっていることは同じでも、そうしたブランドはお客様本位というか、店頭情報の活かしどころで幅を広げるて、新機軸の商材を軌道に乗せます。

 皆さんのブランドはどうでしょうか?現場は冷静に対応するしかありません。振り回されないで下さい。現場で起きていることを本社に伝えて下さい。誰のための品揃えか?よく考えるほうが良いですね。

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