【変化は現場で起きている!】

販売現場は変化します、現場を見て変化を知ろう! 現場で起きている事を現場で知る。データはいつ見るの?

 現場の変化をとらえて次に準備する、小売の醍醐味かと思います。小売の主な仕事の一つと言えます。販売現場で起こる色々な事から正しく先を読むことで、館やショップは生き残りを図ります。

 商業施設でも、ショップでも同じです。特に小売に従事する者なら、常に変化の兆しに気づける様、現場を見続ける事は大事なことだと思います。必須の事です。

 フロア巡回しながら、ショップを見ていると「おやっ?」と販売現場の変化を感じる事があります。この「おやっ」が大事です。変化の兆候です。色々な変化に気づきます。

 この業界で駆け出しの頃に、現場での出来事を知る大事さをよく言われました。

 「分かるまで現場に行け!」
 「分かるまで現場にいろ!」
 「一日見ても分からないなら、翌日もよく観察すること」

 現場で何が起きているのか実感しろとの格言みたいなものです。そして、1日かかかって気づけたことを、半日で気づける様に、半日かけて分かることを3時間、3時間かけていたものを1時間半、更に、1時間半が30分と徐々に時間を掛けなくても分かる様になれと説諭されました。先輩達の教訓の伝承ですね。

 「分かるまで見る」といっても、これには見る訓練が必要です。訓練といっても、はっきりいって「分かるまで見る」しかありません。

 見て出来事や変化、情報に気付ける訓練をすれば、「売れているショップ」「売れていないショップ」もパッと見て分かる様になります。

 そんな事、言われた当時はできるのだろうか?と随分疑問に思ったものですが、見る訓練を続けることで、確かに気づくまでの時間はかなり短くなりました。

 ショップのちょっとした動きでも、変わった事に気づきます。例えば人の動き。スタッフさんの接客で、お客様への付きが上手になり、皆んなが接客に入っていたりすると、実績伸長を感じます。

 お客様に提案コーディネートを迷い無く勧めるスタッフさんの様子に、定着感を感じたりすると、客単価が上がったり、セット率が上がったりていることも多いです。

 なんとなく落ち着きがなく、焦った様子なら、今日の予算に全く足りない時だなと分かります。現場の様子から様々な事に気づきます。兎に角分かります。

 ショップの変化で、展開商品は見て直ぐ分かる事柄です。商材の扱い方とか打ち出しの仕方とかでショップの鮮度維持が有効かどうか、スタッフさんの試着販売がその打ち出しに合った着こなしかどうかも気になります。

 ショップの展開を変えた事への確認で、良かった商品展開を崩してまでも、新作で挑戦していたりすると、ショップの意図を確認します。

 お客様の様子も同じです。今日は、OLタイムが無いなぁとか、入店が良いなとか、お客様の買い方や、気にしている物や買い物への心理なども気になります。特に、世間で消費者心理と言われるお客様の変化は、大変大事なことと思います。

 ショップスタッフさんなら、毎日お客様と会話をするので、その変化、出来事には敏感かも知れません。この他にも、品揃え、新作商品の入荷、陳列変更、訴求物の変化、スタッフさんの動きや様子、什器の向き、客層、お客様の動きなど数え上げればキリがありません。それぞれが大事な情報です。

 新しい情報に触れたり、変化を感じたら、その出来事、変化が本当に起きているかを確認します。データをみて確認します。今までの指標数値と、現在のデータの指標数値を比較し確認します。思った通りの違いがあるなら御の字です。

 「きっと変化している」「現場の様子が変わったんだ」と、データで確認しようとして、データにその指標が出てこないなら、自身の目が節穴ということでしょう。しっかり見ていないから、思い込みで、そう感じたのでしょう。

 言いたいのは、データの確認というのは、現場を実感して、その後確認という順序で行うと良いのではという事。思った通りや、思い過ごし、勘違いなど、色々ありますが、まぁ楽しいんじゃないですか?先のことをを感じ取るって。良い訓練になります。

 一方で、こうした動きと反対のことするスタッフについても書きます。何でもかんでも先にデータを確認するスタッフの事です。現場を見ないで、数値の表を先に見る様なタイプ。今はこういう方の方が多いでしょうか。

 データを基にしてしか話さないスタッフは、兆しというより結果を語ります。未来予測が苦手なのでしょう。先読みしない、小売の醍醐味からは離れていますね。

 伝えられるのは、進行中や兆しを反映したデータではなく、確定要素のデータ。未来予測、兆しに気づくというより、1ヶ月間のデータとか、半期間のデータとかです。振り返り、まとめの時に利用するデータの使い方です。

 責任者は、変化に合わせて有効な施策を練り、販売現場に提案する必要があります。なので運営責任者は施策提案や課題改善のヒントなどでショップを応援できればいいのですが、ただ結果論を語るばかりでは、館のスタッフと言えど頼れませんね。

 何度も言います。結果データを優先しすぎて、誰でもできる結果評ばかりでは、そもそも小売りではないですよね。事前に気づくことの大事さを実感して欲しいと思っています、その有効性も。

 とあるショップの店長と話した時に、この話になりました。その店長は、本社の研修で、店頭での変化の実感が先で、その影響で変化した指標があるなら、データで確認する様にとよく言われたそうです。

 どこも同じだと思いました。多くのショップのスタッフさんは、そういう意味で、よく店頭を歩いて、見て、観察している館のスタッフを頼りにします。データだけを後から持ってきて、決まり切った反省ばかりを言う館スタッフより圧倒的にスピード感がありますから。

 「変わるということだけが、変わらない」です。販売現場に関わるスタッフはショップにせよ、館にせよ毎日訓練、気づきや情報をデータ確認、兆しを読み違える事なく、未来への施策を常に考えているのが良いですね。先のへの一歩。

 ショップスタッフの皆さんとは、常にどんな事が現場で起きてきるのか、話題にしていきたいと思っています。

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