【買い回り 入店アップ コンペジタ情報 入館数】
入館数より買い回りに意識を向けて!
皆さんの商業施設で、自ショップの買い回り情報を手に入れる事があると思います。駅ビルからのデータ開示では、買い回り情報は提示される基本データとして提示されると思います。
駅ビルなら、館が開催するショップ店長会で配布されたり、手元のiPADで情報を見ることができたりすると思います。
老舗百貨店だとあまり情報を外に出さないので、バイヤー(仕入れ担当者)が概ね情報を保持していることが多いです。
店舗数の多い百貨店では、店舗バイヤーでは無く、本社商品部の担当がその情報で商談したりするので、その担当に教えてもらうのが早いです。情報をもらえない時は自社・本社の営業担当から情報を得られるよう働きかけると良いと思います。
その中に、リフト値という項目があります。ショップ間の買いまわり人数より、ショップ間の親和性、買い回りの距離を示す指標の事です。
リフト値というこの指標は、概ね3を超えると親和性が強い、買いまわる現象の多い、買物での距離の近いショップといえます。
このリフト値をみると、カテゴリーでも強弱が分かります。買い回り客数だけなら、食品売り場が多くなるのですが、和菓子、洋菓子、ファッション雑貨、ホームファニシングショップなど、カテゴリ—混在で、自ショップとの関連の強いショップを見分けることができます。
フロアが離れているのに買物の距離が近かったり、隣のショップがテイスト違いでも利便が理由で買物の距離が近かったりなど、色々なデータが期間毎で出ます。かなり参考になる指標です。
親和性の近いショップが顧客中心の来店プロモーションを仕掛けると、自ショップで来店促進してなくても、入館が増えたり、良く知ったお客様の来店があったりなど影響受けるのが一般です。
比較購入という言葉は聞いたことがあると思います。言葉の通り、比べて買うというお客様の動きです。なので、他ショップの入店促進策の影響を受けるのは、よく見かける光景で、このショップに来たら、同館のこのショップも一応見るという行動と言っていいでしょう。なので、入店増と売上向上の現象が出てきます。
逆に、フロア内で強力な買い回りショップがあったのに、他フロアに移設リニューアルで距離が離れたということもたまにはあります。
こうしたショップと強力な繋がりがあれば、入店の懸念は要りません。が、同フロアであるという利便だけで利用されているなと分かっているなら、入店数には影響が出ると思ってください。買い回りのショップの影響を受ける典型例です。
館のスタッフからは、入店数を意識して、館の入館数の情報をもらうことも多いと思います。が、館の入館数は、どのショップにその増えたお客様が集まっているのかを確認してみて下さい。
買い回りの観点からみると、館の入館数増は、必ずしも自ショップへの入店になるとは限りません。
そもそもショップそれぞれにはターゲットがあり、ターゲット層の入館が多いなら有利ですが、回転数を稼ぐことで実績をとるショップは、一般的には多客を前提にしていて、品揃えのプライスラインは低く、3点で千円というようなプロモーションを日常的な販売手法にしていたりします。
回転前提のそうしたショップでは、来店したお客様の買物のマインドが他のショップとは大きく異なることが多いです。
ファッションにとっては、ターゲットでない層が増えたとしても、自ショップの売上が向上するとは限りません。
買いまわりデータの利用は、期間であったり、催事開催があったり、フロア間の特性があったりでどんな影響が出るか、自ショップに有利になるようにするため、データを見る習慣をつけることをお勧めします。
兎に角、自ショップへの入店や接客回数の母数にこだわって運営することを伝えたいです。
必ずしも、実績向上に繋がらない、館の入館増に期待するより、ショップ前通行量の一部でもいいので、自ショップへの入店につながる方を選択した方が良いと思います。
そうした意味で、渡されるデータの指標をみる習慣、先を予測する習慣を身に着けて下さい。