【目配り、気配り、心配り】

「気づき」を増やすには！

　 「気づき」について前回書きました。お客様の買い物環境をより快適にする環境改善の話です。では、どうすれば「気づき」を増やすことができるでしょうか？

　題にもあるように、日常的に「目配り」「気配り」「心配り」を励行するのが近道です。これら言葉を辞書で調べてみて下さい。注意深く周囲に意識を巡らしている様子の言葉かと思います。

　実際に目で見て注意するもの、失敗の無いように注意すること、細かい点にまで心を動かし注意するもの、という内容です。そうした習慣が「気づき」の多い人間を育てると思います。

　ショップの入店を増やそうと思ったとして、目的が同じなのに成果の異なる二つのショップがあるとします。結果の差は、この「気づき」の要素の差、「目配り」「気配り」「心配り」の差でしょう。お客様本位の準備が出来ているのかの差と思います。

　「見やすく、買いやすい」を実現するのが販売現場の目標と思います。どうすると「見やすく、買いやすい」を実現できるか常に考え、実践して効果を獲得しているスタッフには、快適さを生み出すショップの環境作りを、当たり前のルーティーンの様に行っています。つまり「目配り」、「気配り」、「心配り」。

　例です。ショップ内にゴミがあれば拾うし、掃除しますよね。でもそれが一歩ショップを出て、共通環境の通路、しかも、遠からず、近からず、ただお客様導線上で自ショップに来店する導線だったら、ゴミを拾いますか？

　私が日常的に館内を巡回している印象では、共通環境にゴミがあって、ショップ区画外のゴミ、例えそれがショップ前に落ちているものでも、拾って処分するスタッフはかなり少数派です。

　本来なら、共通環境の清掃は館の仕事です。でも目の前にずっと転がっている紙ゴミをそのままなら、お客様は、「このショップこのゴミ片付けないのかしら？」と思うでしょう。

　何故なら、お客様が、「ここは共通環境であるから、ショップには責任無いからね」なんて思って通路を回遊しているはずが無いから。お客様にとっては、誰の仕事でも良いので、清潔に保っていて欲しいのでは。

　「店頭展開の変更を午前中に実施した際に、いつまでなら空っぽの棚を許容してもらえるか」、「着荷のパッキンをショップ横に置いていたらいつまでに片付けたらおかしく無いか」、「商品追加がなく、空っぽの棚をそのままでおかしく無いか」、「2つの同じ内容のPOPが並べて置かれていて認識しやすいのか」・・・事例は様々あります。

　もちろん、ここには運営上気を付けなくてはならない事も入っていて、仕入れも、商品の特徴を知っているかも、天井のスポットの向きも、照度も気にしなくてはいけません。販売上のハード、環境面も全てです。

 　VMDも、販売技術そのものも、テーマカラーの扱い方も、挿し色の使い方も販売現場での運営は、「気づき」によって改善される事があります。こちらは、運営面での「気づき」です。

　この項目だけに「気づけ」ば良いというものではありません。なので、「気配り」「目配り」「心配り」なのです。日常的な習慣にすれば当たり前の様に「気づき」の人になれると思います。物の考え方とその実践です。

　周囲をよく見下さい。「気づき」の得意な人がいませんか？よくその方の動きを見て、視点や動き、お客様への対応も観察して見て下さい。そして、真似ながら身につけられる様、訓練すると良いと思います。

　きっとお客様にその「気づき」のお褒めを頂ける日があると思います。お客様にとって、喜ばれる行動をしましょう。

↑　↑　↑　左の棚は、展開準備中で空っぽ。営業時間中です。 右のテーブル什器や棚の アクリルBOXを見る分かりやすいです。
メモでいいので準備中という張り紙でも 貼るといいのでは・・・

↑　↑　↑　導線の前面の棚には商品は一切ありません。 営業時間中です。
セール期で 追加商品が無いのかも知れませんが、
お客様目線で見るなら避けたい事柄です。
誰も商材を全く置かない事への、 「気づき」は無いのでしょうか？

↑　↑　↑　営業時間中にパッキンを出したまま。 スタッフがいて作業中なら いいのですが、
放置だと置きっ放し感が出ます。 「気づき」があれば、扱い方が変わります。

↑　↑　↑　デジタルサイネージが故障しています。 「準備中」でもいいので
POPを貼付するだけで、少しは、お客様には納得性が生まれるのでは。
暗いままの画面で置きっ放しでは、 なんだろう？ って思います。

↑　↑　↑　ブーツはどのアイテムに合わせているのか不明。
スタッフで誰か「気づき」が あれば、 ブーツの展開場所が変わると思います。

↑　↑　↑　POPの前にPOPがあって後ろのPOP内容は読めません。
POPの前にPOPを置いたスタッフは、
後ろの商品説明POPを自身で阻害する様な置き方をしてます。
「気づき」があると、誰でも修正できる事柄です。