【新聞記事 VMD強化と接客手法】

業界誌に沢山書かれる「、旬のコーディネート提案する接客とVMDを強化しました」 って?

 業界誌は毎日読みますが、好調な商業施設のコメントがあると「旬のコーディーネート提案する接客とVMD強化した・・・」なんて記載を沢山見かけます。

 ショップの皆さんで、フロア担当から、接客手法やVMDを指導されたり、良いアイデアもらったり、気づきのようなアドバイスもらったことありますか?

 現場で、接客技術を何をどうするか、概論でなく、個別の動きを議論すると、経験者同士でないと中々伝わりづらいですよね。

 「旬の物ってあるでしょ、それを積極的におすすめするんだ!もちろんコーディネートできるようにね」という掛け声を館内で行うことはあるでしょう。ただそれは、掛け声、スローガンで、何をどうするのかという現場での動きの「枠の話」(概論)。

 掛け声で強化できて、商業施設の売上アップするなら、アパレル本社の掛け声でも、エリアマネージャーの運営方針でも一緒です。そういう意味ではVMD項目でも一緒。原理原則はどこでも同じ。でもマーケットによって具体案は異なります。

 VMD(仕入れも関係しているので)は戦略、VP・PP・IPは戦術、接客は戦闘で、売上が戦果です。

 こうした概念から、実務をします。VPは注目を浴びることが重要で、足を止めてもらう為の工夫をします。VPにはシーン設定をするのも大事です。シーンの例は、友人との会食、キャンパスでのひと時、家族親族のパーティーとかです。

 VPが決まると、注目されると言う意味では一緒ですがPPも決まります。自動的に陳列連動で、IPも決まります。展開を変更して鮮度獲得できたショップでは、モチベーションも上がり、VP自体がお客様へのセールストークになります。

 ただ問題のは、何を訴求するかがショップの課題や特性により異なること。通り一遍では無いことです。個別のショップの事情次第。

 フリーが弱いという課題なら、フリー獲得を意識したいでしょう。ブランド内ブランドがあって、どうしても訴求したいなら、そのブランド内ブランドでコーディネートを作るでしょう。展開店舗限定の商材があるなら、差別化のために取り上げたいでしょうし、兎に角、事情はそれぞれ異なるものです。

 例えば、3月から4月にかけて、買い替え需要で通勤着要素が大評判だけど、カジュアルの方を訴求しようかと悩む店長もいます。

 訴求では、種まき期間があって、需要のピークがあって、終息期があります。最後の一押しと思い、需要ピークを越えたのに訴求する場合だってあります。フロア担当にとって、その匙(さじ)加減へのアドバイスは、余程そのショップの課題や特徴をショップ店長と共有できていないと議論ができません。

 一方通行のように言うだけなら、悪く言えば、言いっぱなしの館スタッフです。売る側が取引そのものが強い館(会社)だと、スローガンの伝達だけでショップやアパレル本社が準備と対応しなくてはならない事もあるでしょう。

 そうすと、具体的に動きは、誰が有効な販売環境、実績獲得のきっかけ作りをするのでしょうか?

 スタッフの皆さんですよね。だからこそ、原理原則、基本に忠実なのと、実際の現場の状況による修正や、マーケット変化への修正ができることが一番ではないですか?

 日々接客をし、お客様と接しているスタッフさんだからこそ分かることが多いのです。そのマーケティングアイの情報が知りたくて、私は巡回中に色々とヒアリングします。その皆さんの情報って、思いの外一致します、それでいて聞かないと分からない内容。データでは拾えますせん。

 「今日のお客様は、決まりが悪い」とか、「客数が少ない割にみんな購入して頂けた」とか、比較購入して、選ばれなかった商品がどのショップでも似ているとか、それぞれ、データでは判断付かない情報です。

 そういう意味で、販売現場の方は変化に敏感です。その敏感さは武器ですから、その武器を使って、フロア担当とのやり取りに使用して下さい。言いたいのは、自ショップが有利になるよう伝えられれば良いのです。そうして実績向上の環境作りをして下さい。

 今のショップは、本社との交渉、館スタッフとの交渉、エリアマネージャーとの連携を行いながら、販売現場の実務をしています。大変だと思います。その状況を考えると、なお有利な環境での仕事を勧めます。

 なので、そのことを思うと、そうした業界誌の記事での書き方は、恐らく「旬のコーディーネート提案する接客とVMD強化を、ショップに依頼して実施してもらった・・・」かと思います。

Follow me!