【改装で新規の取引先】
「 FAXで回答します 」は無いですよね。
改装時には新規の取引先にも連絡し、商談約束を得て、取引できるかを話し合います。今までにないテイストや既存のお客様に合うブランドを持っていると思える先様には、何とか繋がりもちたいですし、今回だめでも次回の改装でも話し合いができるように必死です。
取引先の方でもいつ何時、その商業施設と取引が必要になるか、環境の変化まで予見できないので、開発担当の方は、柔軟で人にどんどん会う、積極的な方が多い印象です。
私が5年くらい前(2015年くらい)の改装時に新規取引先に次々連絡して、商談約束を取ろうと業務遂行をしておりました。その時ビックリする程酷いというか、まったく相手にされなかった取引先の話をしようと思います。
「取引をするのは今は無理です」というのをはっきり商業施設側に伝える先様担当者というのはいるのですが、多くの開発担当者は、商業施設の担当者の気持ちを損なわないような上手な断り方をします。
例えば、「商談でお話合いしても、お時間が無駄になったりされたら、皆様にとっても申し訳ないですから・・・」というような言い方で、「挨拶だけでもしたい」とか、「ご縁として面識頂ければ」というような会って厚誼に繋がれば良いなというような、そんな要望が通じないと感じる回答をもらう時もあります。
そうした中で、次のように回答を頂い先様の担当者がいました。
「そんなにおっしゃるなら、会う時間も用意できないので、FAXで良いので、出て欲しいブランド名と、フロア図面に印をつけて送って欲しい、そしたらOKするかどうか○×で印付けてかえしますよ」と。
会いもせず、商業施設の商環境や売上の特徴も聞かず、相手の熱心さにもほだされず、上手な回答もせず、直言的に断りもせず、改装の中身も聞かずに、FAXで印付けたら、OKかどうか回答するとは、本当にびっくりで、今までにない塩対応の頂点を経験しました。
あまり良い気持ちはしませんね。本当に多くのというか、ほとんどの取引先は商業施設の規模の大小に関わらず、いつ何時縁があるかわからない中、決して悪印象にならないような言い方や、次につながるような言い回しで、今はできないとか、あまり商業施設側の機嫌が損なわれる言い方はしません。
商業施設側が悪い時もあって、昔・かつて商業施設側の悪対応を指摘して、貴館とは取引できなよなどはっきり理由を言うところもあります。
しかし、悪印象をこちらがしたのなら今取引ができないのは分かりますし、過去の担当者がいないなら事情の詳細も先方の言い分で理解するしかありません。
しかしながら、全くの新規のアプローチ・オファーをかけて、貴社のブランドが好きですという告白に、気持ちも何も汲まない対応があるのだなと思い、もてる男が精一杯告白した女性にケンモホロロで気持ちまで踏みにじるような断り方をしたのと同じ状態かもと、思ったりもしました。
私の所属する鉄道グループは、商業施設の同業他社が沢山あります。そんな悪印象を残す対応するのが先様の窓口なら、商業施設側の担当がグループ内別企業に出向したりして、その先でその取引先に会ったり、担当したりしたなら、協力的な動きならないのでは?と思ったりもしました。
現に私がその取引先の主力出店先商業施設に出向を命じられたら、温かい目でその取引を見ないかもと感じましたから。
別の取引先の開発担当者にこの話をしたことがあります。複数の取引先開発担当者は同じような回答を私に下さいました。
「高いところで商売しているなぁ、それでいいなら楽だろうなぁ、まぁうちにはそんなことできないけどね」という内容です。
半笑いで呆れたような各取引先の開発担当者の反応をみると、私も随分な目にあったのだと改めて思ったりしました。
禍根を残さないような取引なら、たとえブランドの趨勢が悪く、休止になってもその会社が持つ別のブランドの取引に繋がったりします。禍根を残すような場面があると、新案件があっても先に進めづらくなります。
人が行っている業務ですから当然と言えば当然です。相性の良い方も悪い方もいたりして、面白いと言えば面白いのですが、柔軟に取り組んでできた私には、かなりインパクトの強い経験になりました。
こちらからだけではなく、商業施設側に対してアプローチをする取引先様もありますので、「FAXで出店したいところに印付けろ、そしたら○×付けて回答するよ!」なんて言っりはしないですよね。もちろん断る時は細心の注意を払います。
私は、多くの方との友誼を結べたのは相手様の状況に合わせたこともあったと、かつてを思い出せます。
取引するって、窓口の心情にも留意することが沢山、多いとおもっています。いい経験をしました、反面教師です。