【同じものでも売れるスタッフと売れないスタッフ】
環境の違いで、同じスタッフが優秀になる
ショップが全国展開なら、主力都市ならどこでも展開があります。でも同じ商品を展開していて、売れるスタッフと売れないスタッフがいることを考えたことがありますか?
ただただ、売る力、販売技量の問題でしょうか?
同じスタッフが、異動したら急に売れるようになることもありますね。これもどうして、旧所属だと力が出ず、新所属だと力を発揮するのか考えたことはありますか?
販売歴や、明確な技量の差があるなら、分かりやすいです。ただ、そうだとすると、異動したら急に売るようになったというのは説明がつきません。ただ、環境が後押ししたというくらいでしょうか?
販売歴が長いベテランスタッフがいて、ずっと年下の新入社員が配属になり、都心店でも、フリー客の通りづらいロケーションにショップがあったらどうでしょうか?
目指して入店するお客様は誰かの顧客様とかが多く、かつて接客した記憶のあるスタッフが「前回お買い上げ頂いたものはいかかでしょうか?」なんて声掛けたら、他のスタッフは手が出せませんよね。
フリー客はどうでしょう? 一日数客しかないショップのフリーは、大事な次につながるお客様。新人が皆を押しのけて、無理にアタックすれば、ファーストアプローチのタイミングを外した格好になり、お客様の警戒心を強くさせ、結果逃がしてしまいます。
でも、そのスタッフが、郊外の3人くらいのショップに異動したとしたらどうでしょうか? 3人体制だと1人で守る時間がほとんどです。状況として、顧客もフリーもお相手しなくてはなりません。
まさか今日は、店長休みで、次の出勤は明後日だから、また来て下さいは言わないですよね。
店長のスケジュールは話すとしても、商品紹介や今やっているプロモーションくらいは紹介するでしょう。そんな場面が日常なら、実績上がると思いませんか?
そうだとすると、必要なのは、教育ではなくて、接客の機会だけけで、機会さえあれば、売るんだと分かる訳です。
先輩だらけの回遊客の少ないロケーションの都心店から、「あまり売らない子だけどよろしく」なんて連絡があって、受け入れたけど、結構売るじゃない!なんて結果も本当によく見かけます。
こうした事柄への想像力が、同じものでも売れたり売れなかったりするスタッフの明暗を分けている気がします。
売る技術はコツコツ覚え、実践で磨くとしても、環境を変える力は歴の浅いスタッフにはありません。人を見る目のある店長や、そうしたスタッフの活かし方を知るサブがいて、活かし切れるように常に上申しているなら、いいんです。
但し、中々そうした環境は無いものです。店長サブは売上向上に熱心です。本社の言うことも正しく理解し、技量技術の向上、自己研鑽もおこたりません。数字も強いし、顧客も持っている。
ただ、その目線で不合格な動きの配下のスタッフが、もしかすると活かしきれないスタッフになるのかもしれません。
私は巡回しながら、そうしたスタッフに話しかけることがあります。
これらのスタッフで、私の質問の意味を正しく理解し解答できる、いわゆる歴の浅いスタッフはいるものです。
そうするとそのショップの店長にそのことを伝えまます。店長自体も前評判よりよっぽどよくやるという高評価をしてている方と、「えっ、そうなんですか? 普段は、少しもそんな理解で業務やっているようには思えませんがが・・・」と低評価を続ける店長もいます。
私の質問に的確に答えられるスタッフさんは、事の本質と技術を持った方が多いです。売るためのノウハウの質問やその意味、都度都度の商環境分析を聞いたり、商品そのものの長短やその理由もヒアリングしますから。
その質問にベテランスタッフと同様に回答できるなら、意識の持ち方に何の問題もありません。売る環境が問題なだけです。
店長サブの方には、少し余裕をもって配下スタッフを見てみると良いのではと思います。ショップの戦力ですから、よりいい形で活かすことで売上は上がります。
「個性に寄り添う」と言うと今風の言い方かもしれませんが、持っている素質を見破り、適材適所で活かすというのは今始まったことではありません。
商材で、売れる要素を持った物なら売るのは比較的楽なはず。他店比でうちのスタッフだけが売れないという嘆きが無くなるよう、その人そのものをよく見てみませんか? きっと活きるはずです。それは、ゆくゆく売上アップに繋がります。