【入店客数増 通路導線 アイドルタイム 接客回数】
通路導線への意識
アイドルタイムの過ごし方。付帯業務の書類作成をする方も多いと思います。通路導線にどのくらい意識が向きますか?
巡回中、通路歩くと、ショップのスタッフさんで、導線面に対して人気(ひとけ)を感じて顔上げ、百貨店・商業施設関係がいると分かると、会釈をしたり気づいているという合図を下さったりするスタッフさんと、作業に没頭してしまって全く導線面に意識の向かないスタッフさんがいます。
私の巡回時間はバラバラですし、アイドルタイムなんて、平日のお昼前だったり、夕方OLタイム前の4時半過ぎだったり、入店状況や時間帯、歳時記、天候などお客様のライフスタイルで変化するものです。ショップの状態は千差万別です。
時間帯で状況は異なるものの、いつも気づきのあるスタッフさんと、いつも気づきが向かないスタッフさんとでは、お客様にとってはどう映るでしょうか?
いわゆるショップ前の「素通り客」と言われるお客様で、何らの商材にフックして足が止まったり、ちょっと手で商材を触ったり、自分のショップの商品に興味がある仕草に、スタッフさんが気づく気づかないで差はありませんか?
導線面への気づきあるスタッフさんでも、奥のカウンター内で付帯業務・書物をしている方も多いと思います。
奥のカウンターで気づきのある方の一部の方は、カウンターからちょっと足の止まったお客様に向かって突進するように近づいてしまい、お客様の方が引いてしまって、ショップ前から逃げるように立ち去ってしまうという事も多々あります。
そもそも気づきのない、意識の向かないスタッフさんに比べれば、素養はいいのですが、手法がよくありません。
私が百貨店入社直ぐの時の話です。ショップはアメリカのデザイナーズブランドで、百貨店だとトラッド売場にロケーションしている、胸にワンポイントのポロシャツで有名なショップの例です。メンズコレクション出身で後にレディースのコレクションを発表したブランドの話です。
ここのスタッフさんのアイドルタイムの過ごし場所・立ち位置は、ショップ前面の中央の腰高の平什器です。そこで書物(付帯業務)をして過ごしています。書物がない時も概ね区画の前面で動待機しています。
書物をしていて、お客様から苦情を言われることはありません。待機場所自体お客様の入店にすぐ気付きますし、接客の姿勢にすぐさまスイッチが入っているからです。
そもそもの立ち位置が違うので(ショップ中央の前面)、カウンターから突進なんて事もありません。訓練の賜物と思いますが、平均単価の高い商材を扱っていても、工夫して一人でも多くのお客様との接点を増やそうとしているのです。
皆さんのショップはどのような状況でしょうか?気づきがないのはそもそも論になりますが、アイドルタイムの過ごす場所を変更するだけで、意識が向かないスタッフさんでも、お客様の「気配」には必ず気付きます。つまり気づく場所で過ごすのです。
ごく稀に、アイドルタイムをショップ前面に立ち、「素通り客」のほとんどに「いらっしゃいませ、こんにちは」とお声がけしているスタッフさんがいます。
こうした誰かれにもお声がけして一切嫌がられず、お客様のお顔もとがショップ内に向くようにできる方もいます。
当たりの柔らかい雰囲気や立ち居振る舞いの様子で叶うのだと思いますが、天賦の才と言えます。
取引先本社のトレーナーさんは、そうしたお声がけを推奨する傾向にあると思います。しかしながら、そのトレーナーさん・SVさん達としっかり話すと、「指導している全員にできる事ではなく、〇〇(スタッフさんの名前)だからできるんです」とはっきり言います。資質の要素と分かっているのでしょう。
お客様の入店数の母数や、接客数の母数を増やす工夫をしないと実績の伸長はあり得ません。今の時代お客様が「これ下さい」と自身で商品を選んでレジまで持ってくる時代ではないのですから。