【入店客増 待機姿勢 動待機 静待機】

動待機と静待機

 待機の姿勢というのは、店頭に立つ際には必ず指示のあるものですよね。ショップに新人が入店して「とりあえず、そこにいて」なんて指示出す店長はいないと思います。

 今の時代だと「動待機」の方が有利です。老舗中の老舗の百貨店だど「静待機」の様子も見受けられますが、商業施設・SCでの待機は圧倒的に「動体機」がメインだと思います。

 SCなど大型の商業施設のショップでまれに静待機をしてるのを見ると、本当に静かな雰囲気がして、入店しづらい。VP直しでも、陳列直しでも、品出しでも何らかの動きのあるショップだと、入りやすい。

 皆さんがアイドルタイムを利用して、陳列変更することがありますよね。そんな時、ショップの中はグチャグチャなのにお客様が入ってくるという経験をした方は多いと思います。

 「動待機」と同じ効果になるからです。経験値で分かりやすい事例かと思います。同様に自分の買い物でも同じ経験をしているのではないですか?

 私が百貨店に入社してすぐの頃の話です。百貨店社員でも販売支援で取引先ショップのスタッフさんと同じように店頭販売業務の指示がありました。現在の百貨店ではあまりない光景かもしれません。

 こうした駆け出しの百貨店マンにアドバイスを下さる優秀なスタッフさんがいました。販売の何たるかを教授してくれたのです。大変勉強になりました。今でも活きている原則を教えてくれたのです。

 その一つが「動待機」です。

 綺麗にBOX什器に陳列してあるポロシャツをそのBOX什器から全部出して、広げて畳む、それを繰り返します。場所はショップの中央のガラス棚の平什器です。通路前面中央に向いた場所での動きです。

 BOXには色別にポロシャツが展開されています。その棚から1色づつのまとまりを取り出して広げて畳むを繰り返します。このショップのアイドルタイムの過ごし方です。もちろん、そのスタッフさんは入店があるとすぐ接客姿勢の取れる方でした。

 「動いていないとお客様は入らないわよ・・・」

 と言われた記憶があります。そのショップ自体は実績順調、百貨店側から販売支援するほどの人気ショップでした。にもかかわらず、お客様の入店しやすさへの配慮を日々実践していたのです。

 昔と異なり、付帯業務、本社とのコミュニケーション、たまに来る営業や、SVへの報告事項、商業施設への提出物、フロア担当者からのお願い事項に、ヒアリングなどスタッフさんの苦労が多いのはよく知っております。

 アイドルタイムは、そんな付帯業務で時間を過ごすと効率的かと思われます。販売メインの時間帯までには、後方の業務は終わらせたいですし、最適な時間かもしれません。

 同時に付帯業務は、ショップのどの場所・どの位置で、だれがどのくらい時間をかけてするのか、書類の完成度はどのくらいで提出するかなど指示が必要で、やっかいなものです。

 しかしながら、お客様にとってショップへの入店のしやすさへの対応は、常に必須なのです。

 接客の母数が増えないと実績向上の機会が減るだけで、本来業務(お客様に喜んでもらい、自社製品をご購入頂く)への影響が出ます。言いたいのは、寸暇でも成果を積み上げましょうね、という話。

 そのための動待機です。本来業務の基本に注力しないのはもったいないですよね。皆さんもこの仕事を楽しいと思って就いたのでしょう。

 入店初日に教えてもらった基本を忘れることなく日々過ごせたら良いと思います。

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