【フリー客獲得 客数確保 お声がけ 売上獲得】

「いらしゃいませ、こんにちは!」  導線面前面でのお声掛け 天賦の才? 

いらっしゃいませ、こんにちは」の声掛けをショップ前でずっと実施していたスタッフさんの話です。それは、天賦の才なのでしょうか?

 「いらっしゃいませ、こんにちは」というお客様への声掛けを初めて聞いたいのは、1990年代初めの頃です。私の所属した百貨店に「J CREW」というアメリカのブランドが誘致されてのことでした。

 その当時「こんにちは」の声がけが、珍しく、奇異に感じたのを覚えております。今はどうでしょうか?よくある当たり前の声かけになっていますね。どんな言葉でお迎えするかも時代とともに変化しますね。

 さて、私の担当のフロアの新ブランドで、ショップ前面に立ち「いらっしゃいませ、こんにちは」の声がけをする店長の事です。新ブランドですから、ブランド認知もなく、もちろん顧客名簿もゼロからのスタート、オープンすぐでも来店していたのは、アパレル本社が管理するブランドカードの顧客名簿の中の、地域のお客様くらいでしょうか。

 新ブランドが導入されたからと言って、館内いるお客様がこぞってその新ブランドに来店する様な商環境ではありません。このショップの出だしも、客数確保に向け、接客母数確保に向け、奮闘する必要がありました。

 館の支援、協力ももちろんあります。例えば、館内飛地へのVP設置、ポスターのイーゼルでの掲出、館のSNSへの投稿、ホームページ、チラシ投下(効果は少なくても)がそれに当たります。

 そんな新ブランドの出だしでの光景です。その店長がその状況下で毎日、毎日、ショップ区画の最前面で、回遊客、言い換えれば、素通り客に対して、延々「いらっしゃいませ、こんにちは」とお客様へのお声がけを行なっていました。

 客数確保が課題なのは、新ショップ共通の課題です。獲得のための運営力として、お声がけを実施しているのです。皆さん想像して下さい。もし自分の買い物の時、ふらっと歩いているところに、「こんにちは」とショップスタッフから声がけされたら。

 その様子や、声のトーン、声掛けのタイミング、顔元の表情など、バランス崩すと売りの強い、打ち出しの強い、スタッフさんに映りませんか?

 全部が揃わないと、スタッフのやらされ感や、業務感、場合によっては順番でやっているのかしら?と内情まで想像してしまいます。そうした状況なら逆効果です。お客様を散らします。

 嫌がられずに、自然体でショップ内に興味を持ってもらえる様、お客様の顔がショップ内に向く様に仕向ける事は至難の技かと思います。でもその店長それやっていました。もちろん毎日です。

 ショップには付帯業務で、都度の報告や連絡、日々の課題や、月の課題の取り組みなども抱えているだろうと思いました。それでもその店長、日々声がけを継続していたのです。

 でもそれは、客数確保へのアプローチなのですよね。フロアでの声出しは実は結構疲れます。休みながらでないと、業務終了後の疲労感はたまったものではありません。継続するのは、さぞ大変だったでしょう。そう想像します。

 それもで課題解決(客数確保・接客母数獲得)に向け、真摯に取り組んでいる姿勢には、感心しきりでした。「すごいなぁ!」です。実際その効果で入店を獲得していたのですから。

 課題を解決するには、色々な方法があります。その中で、自分のできることを愚直に実施していたのですから、素晴らしいことと思います。

 その後日談ですが、展示会の商談時にその事を話し、「貴社のスタッフへの研修指導はそうしたことを基本としているのでしょう。多くの優秀なスタッフさんがいるのでは?」と投げかけました。

 そうしたら、営業責任者やエリアマネージャーからの回答は「〇〇(スタッフの名前)だからできるんです、全スッタッフには同様の指導をしていますが、誰でもできることではありません」と。個別にその店長の個性を見ていたのでした。

 どの素通り客にも嫌がられず、ショップ内に興味を持ってもらえるなんて、簡単ではないですよね。恐らく、その店長は当たり前に行なっている業務かもしれません。その力で課題解決ができるなら、自分を信じて、愚直に実施するのは良い事、という好例です。

 そういうスタッフさんは多くの関係者から応援をもらえるものですよね。「いらっしゃいませ、こんにちは」にはそんな力があります。

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