ショップVPの活かし方 VPについて VMD

VPを活かそう!!ショップVPって何? 入店数増が目的

 「ショップVP」についてです。今、色々な商業施設を回って見て、「ショップVP」の威力が全く感じられません。全く提案性を感じられていません。何故そうなったのでしょうか。皆さん、心当たりはありますか? 私は、かなり乱れていると思います。

 2体のボディでショップVPを組む際には、クロスコーディネートが基本です。しかも、ただセパレートの上下のセットアップを分離したコーディネートの事ではありません。

 提案性のあるなしを気にして欲しいです。この提案性が全く感じられないのが今の状況です。

 「ショップVP」の役割は、「今のショップの品揃えの代表格はこれです!」という提案です。なので、必ずしも売れ筋が飾ってあるとは限りません。ショップの今のテーマが分かるコーディネートである事が大事です。

 加えて「ショップVP」の役割は、そのVPに誘われて入店を促進させるという基本があります。今のショップの品揃えの旬の内容を伝えて興味を持ってもらうのです。

 でもショップの皆さんは、商材を見ながら、今これ売れ筋だし、見えるところに飾って入店を促進しようと思うでしょう。

 それは正しいのですが、その役割を果たすVPは「ショップVP」ではなく、「ショップ内VP」です。「ショップ内VP」は、必ず陳列連動し、買いやすい展開で、すぐにお客様の気になる商材が手に取れるように配置します。

 一方「ショップVP」は通路や遠くからでもお客様に注目してもらいたい仕掛けです。その原則が分かっていれば、VPに提案性が必要な事が分かると思います。

 しっかりとした提案性というのは、ショップ毎に異なると思いますが、一度やって見てください。本来のお客様の足を止めるフックの役割を果たせるまで挑戦して欲しいです。

 世の中には、「ショップVP」を同一箇所にボディ3体以上置くショップもあります。それに関しては、ボディの数が多いのはかなり難しいコーディネートを求められ、あまりボディ数は増やさず2体でいいと思っています。

 週に1回納品毎にショップVPの見直しをするとしたら、3体で組んだりしたら、難しいVPへ選品の完成度を求められ、困難な課題となってしまいます。同時に、指名した担当が実施しないと、ただ乱れたVPになってしまいます。

 例えです。売れ筋の商材ばかりが訴求スペースでショップVPとして飾れらるとお客様からどう映るか考えたことはありますか? 

 私が巡回しながら、打ち出し商材としての各ショップVPをみると、売れ筋のオンパレードでデザインの要素であったり、フォルムであったり、カラーであったりが似たり寄ったりで、ショップが本来持っている商材の差が全く伝わりません。

 今のvp表現は、ファッションテーマやテーマカラー、サブカラーなど全く感じられず、ただボディに飾っているだけという印象です。

 お客様に注目してもらい、ショップ内への誘導、入店増やすための手法のVMDの役割が弱く感じています。ショップVPの役割は、どこの研修でも説明すみの事柄かと思いますが、実施されていません。

 お店のお客様を増やそうと思いませんか?そう思うなら、提案性が無くては足を止められませんよ。

 専門誌では、館の入店が上がれば、売上実績が向上するのは相関関係があるなど、入館の大事さの記事を目にすることも多いですが、入館数が悪くても前年超えするショップはあるし、入館数が良くても前年割れするショップもあります。

 マクロ(世の中の趨勢とか)とミクロ(お客様の半歩先)を一緒に議論するようなことは避けたいです。

 普段目にするのは、ミクロ(お客様の半歩先)です。だから日常的に取り組める事柄を愚直に行うことの大事さを伝えていきたいと思います。

 現在、ショップVPが大きく乱れていると思います。皆さんのショップではどうでしょうか?入館数を増やす工夫をVMDの原則の「ショップVP」でもやって見ませんか?

 入店が増えると、接客回数、接客の母数が増えます、同じ決済率なら必ず実績が向上します。新規のお客様なら、リピーターに、リピーターなら顧客様になる入口の工夫と思います。ショップの今の提案コーディネートは何なのか、伝わるような選品をしていきましょう?

 お客様は楽しい時間を過ごすために入館しています。楽しさがストレートに伝わるような「ショップVP」を作れば、館の魅力にも繋がり、再来店への誘引にもなるのではと思います。

 私が以前フロアの共有スペースのVPを担当していた時の話です。VPへの着せ付け商材の選品を統一感を意識しながら、腕付きボディのポーズにかなりこだわって装飾を行なっておりました。

 その時上司から、季節的に買い替え需要の見込める通勤スーツを着せ付けする様指示がありました。その際、選品はOLスーツですから定番もの、商材的にボディのポーズも付けませんでした。その時の指示は、「兎に角、OLスーツ商材を見せて需要を拾うのだ」というのが目的でした。

 そのVPの掲出期間中にお客様のお声を頂きました。VPに対するお声です。その内容は、

「今までずっと楽しいVPだったのに、急につまらなくなった、以前の様に楽しいVPに戻してほしい」というものでした。

 館の共有のVPなんて場合によってはタダの風景にしかならない時もあります。

 しかしながら、わざわざお声を書くという形で、館に対し要望頂いたのは、VPの楽しさへのお声でした。見ていない様でお客様は見ています。VPへの注力の大事さはそんな事柄からもうかがい知れます。

 今、提案性・提案力のあるクロスコーディネートを行うショップが増えることを心から望んでいます。

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