サービスマインド

本当にサービス精神? 余裕がなければ、ただの作業

 こんな事がありました。クリアランスセールの多客期の出来事です。

 色々な商業施設、百貨店の状況を見に市場調査のつもりで巡回します。繁忙期ですので、どこに集客があるかとか、プロモーションで新しい事をしているのかとか、参考になります。

 ショップごとの繁閑も見ます。人気ショップだとかなりの混雑ぶりです。人気の商業施設だと、ここで買ったら安心という心理が働くのでしょうか?かなりの入館です。集客プロモーションももちろん上手です。

 そこの大型インショップで、集客装置ににもなるSPAショップがありました。グローバルな展開していて、〇〇〇テックなんて季節の人気商品があります。

 大型店、かなりの集客、レジ列もショップ区画に沿って通路まではみ出しています。インカムをつけ会話しながら、お客様に「お待ち頂いて申し訳ありません」と言いながら、同時に通路を床ワイパーで掃除しながら、列に沿って動いているショップスタッフがいました。

 ショップ区画のキープクリーン、キープフレッシュは基本です。多客期は床も埃ですぐ汚れます。きっと、汚い床のまま放置したくないから、床ワイパーで清掃しながらインカムで指示を出していたのでしょう。

 ワイパーをかけながらそのスタッフが繁忙期らしい、忙しい雰囲気で、お客様列にお声がけをしながら私の後ろに近づいてきました。

 その時、私のかかとに床ワイパーがコツンと当たりました。気づいたのか気づかなかったのか。私も回遊しているお客様です。お客様に物を当てて何も言わないなんて本当はクレーム物です。

 実害はないです。靴のかかとにワイパーがあったくらい、痛くもないし、靴に傷もつかないし、目くじら立てる実害は何にもないです。

 ただ、「気分が悪いですよね、不愉快」

 床清掃は、お客様に良い空間でお買い物をしてもらいたいから。繁忙期の多客期は床もすぐ汚れます。だから、インカムで指示出しながらも床ワイパー使って清掃します。清掃に集中しながらでもお声がけするのはお客様への気遣い。

 やっている事は基本に忠実で、お客様の居心地や列並びでお待ちの方への配慮がありそうです。ないのは余裕です。何かに集中するあまり、多客期への非日常に身を置いて対応に集中するあまり、余裕がないのです。

 一定の余裕があれば、自分の持ってる床ワイパーがお客様に当たった事くらいすぐ気づきます。「サービス精神がありそうでないなぁ」と思いました。

 この程度の対応力が発揮できないなら、普段の状況にしか対応できません。インカムでの指示出しの様子をたまたま見たので、一定以上の職務なんでしょう。しかし、基本を実施してるようでも、本来のサービス精神ではないと思いまいす。

 忙しいからこそ、職位のある方は、冷静でなくてはなりません。昨日一昨日きたスタッフではないですよね。一緒になって慌てたり、周りに目が行き届かなくなるのは論外です。

 同じブランドが私の居住地近くの商業施設にも入っています。きっと私は、ブランドそのものの商材には信頼を寄せて、今後も同ブランドを利用することもあるでしょう。ただ、その店舗を率先して利用したいとは思いません。そう思わせてしまったのです。

 サービスの向上なんて日常的に目標にしますが、気持ちが入らないと、ただの作業かもしれません。

 作業としか思わずにサービスの項目に取り組んでいても、場合によってはですが、良い空間作りどころか、不愉快を撒き散らす行為になるかもしれません。

 何を何のために実施するのか、しっかり把握してサービス向上に取り組むべきでしょう。私にとっても、本当に良い経験をしたと思います。

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