【身勝手なSV 】
ショップの為より自分の為
SVっていえば、スーパーバイザーです。エリアマネージャーのような存在。
SVは複数店舗の監督責任を持ち、ショップにとっては指示系統の上位者。担当店舗の適正な運営の責任者です。
その責任者が自分本位だったらどうなります?
小規模で3人体制のショップで、店長の下2人が派遣だったら、一時的な配置処置かと思います。でもそんな状況を年単位で放置していたらどうなりますでしょうか?
サブならしっかりしたサブ、サブ職をめざす3番手ならそうした性格の3番手スタッフがいた方がより実績も伸びて安定します。
ここで登場するのが身勝手SVの判断です。
大規模ショップの前比95%は、小規模ショップの105%の伸びより痛手です。
そもそも大型ショップはスタッフ数も多く、人件費も高くなります。しかも都心の中心部で運営したら、事業部内では主力ショップ。
その主力ショップで利益が出ていないなんて、自分のせいになってしまう、そう思うのでしょう。
上記のショップは、身勝手なSVが郊外の優良ショップからスタッフを抜くだけ抜いて、補充しない例です。
このショップでスタッフ補充を待つ店長は、自分の所属するブランドの為に孤軍奮闘して徐々に疲れていきます。
ただ、今回はSVがそのショップを徹底的に食い物にする話です。次に起こるのは、商品振替です。
有力ショップの商品振替要求には、対応するように強制が始まります。路面店の大きなところへの商品移動で、小規規模でも優良ショップは、品揃えの面でもどんどん魅力を失っていきます。
更に、次に来るのが店舗査察。店舗の運営が適正か、法令を守っているかなど、本部の別部門から専属の監察官がお忍びでやってきます。
お忍びと言っても商業施設には入館届を出し、来店をショップスタッフには秘密にして欲しいと言います。
査察目的なので当たり前です。ただ私は、こんなことで疲弊している店長にこれ以上疲れてもらいたくなくて、こっそり査察日を教えたものです。
それでも、本部の査察なんて満点とはいきません。するとSVが来て、説教が始まります。
規定通りの運営ができないのは、店長の責任だと強く言うのです。
SVは担当店舗の成績が自分の成績です。小規模ショップの売上は、大規模ショップの実績でカバーできますが、査察は個別の物。カバーしようのないものの不足を指導というより、文句言いに来ただけ。
今度は、そのショップの派遣スタッフがころころ変わり始めます。
そりゃそうです。負担の偏りで仕事がしづらいのと、顧客もフリーもなく、ただ機会に合わせて売るだけの業務。
来店数の多いショップの方が楽しいです。段々店番のようになり、興味が失せ辞めていきます。
するとSVが来ます。店長のせいで人がいつかないと言い出します。その間、連勤続きの店長がどんどん疲れていくのです。
それでも有利となった都心大規模店が順調ならまだいいですが、中々そうはいかないもの。
都心もダメなら、周辺もダメ。良かったものを悪くして、良くしたいものもよくならず、身勝手なSVの保身の末の失敗が結果です。
全く成果が出ないと、別のSVが異動して来ます。そしてこういうのです。「なんでこんなにみんな疲れているの?」って。
時すでに遅し。本部から責任者が来て退店が決まります。