【買い物導線】
買い物導線は短い方が便利です。
商業施設に、お客様の声が寄せられると、その内容に買い物導線に関するものがあります。
「私はいつも食品売り場を利用しているの、売場が遠いから、入口はいってすぐを食品売場にしてちょうだい・・・」というものだったりします。
つきつめれば、自分の買い物導線を短くして欲しいという要望です。
自分の買い物の時もそうですけど、必要なものを買いに行くのにあっちこっち行くのは大変です。確かに近い方が便利です。
ただ、何をどこに配置するかは、売手が決めます。
この時カテゴリーの大きさや、配置がターゲットにとって利用しやすければ、買い物しやすいお店になります。買い物導線も考えられた配置です。
いたずらに買い物導線が長ければ、利用しづらいお店と認識されるでしょう。
どうすると、買いやすいと思われるのか。商人ならいつもそうしたことを考えながら、商売をしているものです。お客様の動きをみています。
どのカテゴリーをどのくらいの大きさにし、どのフロアに展開するか。新店を作る時はこうした構成も考えます。
ターゲットのための買い物導線もこうして決まっていきます。
広さの比率と売上の比率が合わなければ、小さすぎるとか大きすぎるとか見解が出ます。
同じ地域の競合店を調査し、例えばファッションの面積は広がっているが、売上高はここ5年一緒だとか調べます。
同じく、食品の売場面積は広がっていないのに、食品の売上は大きくなっているとか、レストランが売上のわりに展開面積が極端に小さいとかデータを集めます。
調べると、自分の館だけでなく地域の特徴も出ます。
展開面積がここ数年同じなのに、売上拡大のカテゴリーがあるなら、そうしたカテゴリーは広くして配置します。そうした強弱があることで、お客様は、お店を使いやすいとか使いづらいとかという印象を持ちます。
でもこれは、ただの印象ではありません。実際に使いやすかったりそうでなかったりしているのだと思います。
色々な計算を基に配置が決まります。買い物導線もそうした使い勝手を決める大事な要素です。
ごくたまに、「買い物導線や買い回りなんてどうでもいい」「実際の街そのものだってそうなっていないだろ」「商業施設も同じだよ、街を作るんだ」っていう方がいます。
でもそうしたところに限って、街のように、子供が使う場所、主婦が出入りする店、おばあちゃんが好きなものというように街の雑多な要素をもってお店を作りません。
OLならOLがターゲットなんだとはっきり分かるお店つくりをしていたりします。
ただ、カテゴリーがミックスしていて、ファッション、日用品、化粧品、食品、ギフトショップなどが混ざります。
カテゴリーが異なっていても混在させ、ターゲットの興味軸でフロアに集中させて、お店を作っているのです。決して結果雑多になる街を作っている訳ではありません。
そういう施設は人気ありますね。本当の意味でワンストップで買いやすいですから。ターゲットにとっては買い物線が短く便利です。
実は、こういう区分けに関しては「展開分類」と言います、「展開分類」をしっかり考えると、見やすく、買いやすい館、売場ができます。
館だけではなく、ショップ区画も一緒です。ショップの配置でも、どんなグルーピング、まとまりを作り配置するかで、見やすく買いやいに差が出ます。
お客様は、どんな興味軸をお持ちなのか、何と何をコーディネートするのか、どんな服飾雑貨をそばに置くべきかなど、お客様をお迎えする展開の準備は必要です。
展開分類はそういう意味で、お客様の買いやすいを左右します。買い物導線がいたずらに長かったり、繋がりが悪いなぁと思う時、大元の考え方に不具合があるのだと思います。