【買い方の変化】
どんな接客なら優位なのだろう
接客は技術で差がでます。素養というか天性のものでももちろん差が出ますが、生まれながらのものだけで決まるものでもありません。技術に裏打ちされた接客をうけると、上手いなぁと感心させられるものです。
世の中の変化や、その日の状況、投入された商材を見ながら戦い方としての接客を工夫し、その内容がショップで共有されている事例も多く存在しています。
そうした戦い方で、大事なことは何だと思いますか? 今、皆さんはどんな事柄に注意していますか?
今まで通り、買い物に来た方にのニーズを汲み取り、一歩進んだ提案をして、ご要望を叶えるというのは大事です。来店したからには、何かないかな?と思って来店しているはずですから。
ただここで、「今の世の中」を感じ取れる要素をプラスして欲しいと思います。今の要素、なんだと思いますか。私は、単純ですが「楽しさ」だと思っています。言いたいのは、購入までの一つ一つの項目に「楽しい」をプラスできないだろうかという提案です。
「楽しさ」が加わると、買い物は「モノ消費」ではなく「時間消費」になります。ショップは買い物をする場所ですが、時間を過ごす場所に変化します。その変化は、接客を通じの変化です。
10年くらい前の話です。商品知識が豊富で、業界歴のあるスタッフさんに対しての、お客様の反応です。概ね頼りになり信頼できていい買い物ができる、そんな風に感じるお客様が多数でした。
今はどうでしょう。あまりに詳しすぎても、あまりにどっしり構えられても、商品知識に圧倒されたと感じたり、何かきっと売りつけられてしまうと感じてしまって、客様にはストレスになる場面が多くなっていると思っています。
販売側の知識や、経験値が、お客様にとってはただのストレス。お客様がその場の居心地の悪さに印象を残してしまいす。結果ショップへの足が遠のきます。まぁ、ストレスあるところに誰も来ませんよね。
こうした事柄は、お客様心理の変化なのだと思います。かつてもストレスはあったのかも知れませんが、「お目当のもの、買いたいものが買えないかも、だったら嫌だな」という目的の未達成がストレスの内容だったと思います。今は、かつての理由とは大きく異なります。
そうした、ストレスを感じさせなくするのが、「楽しい」という印象・感情です。
これからは、実店舗が時間消費をする場所として、お客様から選ばれてなくてはなりません。
家でPCからインターネットで買えばいいやということではなく、来店して初めて体験できることがショップにとってどんどん重要になってきています。
巣篭もり消費ではないですが、家で大体の用事は済ませられます。
その中で実店舗で実績を上げるには、まずは来店してもらう事が大事。そこに行かなくては体感できない、その体感が「楽しい」から来店してくれるのです。
あのスターバックスでさえ、ネットで注文したり、デリバリーで対応したりで、どんどん便利になると、来店がなくなります。
そうした意味で、よりコーヒーや他の飲み物について語れたり、工場のようなハード体験型の、コミュニケーション重視型の、リザーブのお店を作ったのではないですか?日本でも中目黒にオープンしていますね。
体験を重視することの大事さは、ファションでも同様だと思います。
ターゲット、ブランドの性質・性格、スタッフの得意不得意など、勘案すべきことはあると思いますが、どんな事ならお客様が「楽しい」と思うか、考えてみて下さい。そう思って接客に当たるのも良いと思います。