【販売現場で事件、その後】

現場力、スタッフさんの気持の在りかで、実績向上します

 3人体制のショップで、店長が休みの日に、下2人のスタッフが勤務時間をごまかすという事件がありました。勤務時間を全うせず、極端に早く帰宅していたのです。

 数年前、新規導入ショップのスタートからのことです。店長が休みの日に、下の二人のスタッフが、勤務時間を守っていませんでした。

 店長も週に2日は休み。その他、本社で会議もあるので、店長がいない日は月で見ると週休2日以上あります。その不在時に、午後休憩が終わると、早番がそのタイミングで上がってしまっていました。2人が交代で、労働時間をごまかしていて、蚊帳の外の置かれたのは、店長だけ。もちろん、店長を混ぜてそんな勤務はできません。

 しかしそんなこと、よく思いついたものです。しかも、どちらか一方がどちらかを説得しないとできないわけですから、そんな労力をつかえるなら、仕事で使うべき。理解しがたい心理です。

 一方が帰宅した後は、もう一方が後を守る。それを交代で、行っており、本社からの連絡時に、いるはずのスタッフがいないことから露見。二人とも解雇になりました。まぁ当然です。働く上で最も基本となるのは労務。それを守る気が無いなら、組織の仲間ではありません。

 取引先から事柄を聞いてびっくり。同時に、その後の処置は、対象二人が上記通りで、とばっちりを受けたのは店長でした。次の人事で、サブに降格、上に人を付けるというのです。泣きっ面に蜂とはこういうことかもしれません。配下スタッフに裏切られた挙句、評価も下がるのですから。

 売るための環境では、スタッフの結束力も必要でしょう。今の世の中、販売現場の素養が全く無いスタッフがいると、悩みの種になります。

 一昔前なら指導や研修、教育で育てるというのも手法でしたが、教育が通じないスタッフも出現してきています。労力を大きく割いてそのスタッフの育成のため手取り足取り育てても、どうにもこうにも育たない。そうした話を聞く時、店長サブの方には、本社に対してのギブアップを勧めています。

 一般的には教育が万能でないとは言い切りづらいのですが、現実とは残酷なもので、そうした事象をみかけます。中々難しいですね、人を見る目も必要な世の中です。

 さて、その後のその新ショップですが、次の異動のタイミングまで2か月程度をヘルプで回すことになりました。

 ところが不思議な事に不安定のはずのヘルプ頼りの体制の方が、実績が伸び始めるのです。端境期の8月の実績が、プロパー立上りの3月、安定期の5月の実績を越えてしまいます。

 他ショップでも異動で編成が変わると実績が向上することがあります。特に大型店から来たスタッフさんは、大きな売り上げのショップの推移をもって、小さな売り上げのショップの推移を心配するからでしょうか?それとも、自然もっと売らなきゃと思うのでしょうか?次から次にアプローチする姿を見かけます。

 今までの素通り客が接客母数に加わる訳です。異動での新規戦力のなせる業。全てそういう分析ではありませんが、あくまで、個々人に染み付いた感覚のようなものかと思います。そのスタッフさんにとって慣れ親しんだ感覚かもしれません。

 この新ショップの更にその後。正式な異動後、ヘルプで回していた時に、売上の貢献度の高いスタッフさんが、店長と3番手として配属されました。売上の安定をみます。

 更に1年後、他百貨店への新ショップオープンがあり、該当のスタッフが異動していくと実績降下が始まります。なんでもかんでも販売現場の力量、現場力だけで売上が上下するわけではないのですが、現場力の大事さを確認できる話と思います。

 私はそうしたこともあり、どんなお店からどんな役割を果たしていた方が異動してくるのか、事前によく確認するような商談をするようになります。そもそも勤務をごまかそうという気持のスタッフさんは論外ですが・・・。

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