【発注についての理解②】
発注をシェアで計算
発注する時には、サンプルを見ながら、MDカレンダーを考え、商品の出来栄えを見て、発注します。
例えば、3ヶ月分の商品サンプルが納期毎にあった場合で、期中企画の投入が無ければ、そのサンプルの商品全てが、対象となる3ヶ月の商売を戦っていくための商材となる訳です。
概ね、3ヶ月分の売上予算があり、投入在庫の目標消化率があるので、自然と発注金額が決まります。
前年の3ヶ月分のアイテム別売上を月毎に計算しておき、そのMDカレンダー上でどの月に何が投入されるかサンプルを見ます。何をどれくらい発注するのか考えながらの作業です。
サンプルが月毎のMDカレンダーで分かれていれば発注しやすいです。そうでないなら、月をまたぐ納期の商材を、どのくらいをこの月に、どのくらいを翌月に売るのかシェアを計算します。
そうやって、月の発注額が決まると、先ほどのアイテム売上シェアをよく見ます。
MDマップは、アイテム別売上に合わせて作られることが多く、販売データを無視して勘でアイテムシェアを決めたりはしません。
いつどのアイテムが動くかは、ブランド毎に得意不得意で左右されることもありますので。
そうして、月毎のアイテム別の発注金額を計算します。
売上目標が600万で、投入在庫の消化率想定が60%なら、この月の発注金額は1,000万です。
例えば、パンツの売上比率が8%なら、パンツは80万発注しますし、ブラウスのアイテムシェアが15%なら150万発注をつけます。
ただここで注意が必要なのは、サンプルの出来栄えです。ブラウスの出来がよく、15%以上のシェアで売れると思ったり、とある型番が奥行きさえ確保すれば、ベストセラーになると分類できるなら、思い切って発注します。
データとしてある15%というのは、基準ですが、発注を増やそうとなると、どこまで増やすかのさじ加減を考えなくてはなりません。上手にできれば、発注の精度が高いという事です。
つまりは商品そのものを見抜き、どこまで売れるかわかるという意味で、発注が上手いとい事になります。
更に、増やすアイテムがあれば、削るアイテムもあります。
ブラウスのようなコーディネートアイテムを増やすときに、削るアイテムを間違うとコーディネート販売ができなくなり、セット率が落ち、客単価が落ちます。商売にとってはマイナスです。
だからといって、売れると全く思えないものを一定数発注するのも勇気がいるもの。発注自体もそういう意味で慣れも必要かもしれません。
同時に、店頭の展開についても想像しなら発注することは必須です。展開そのもが組めないようなバランスでの品揃えはあり得ませんから。
そうすると、ショップのパイプの長さや、棚の枚数から品出し枚数は何枚か、フェイス数はいくつかを強く意識していることが必要です。発注枚数が多すぎても展開できません。
そこにあるもので、店頭を組める力も必要ですが、そもそもそんな悩みを抱える必要にない発注だと現場は助かります。
そうして3ヶ月分の発注を行うのです。
ただ、実際は、期中企画が全体の〇〇%あるとか、この納期のグループの時には、期中企画はないとか、有力店から品振りには従う事になるからなど言われたりして、計算が複雑になりがちです。
どの品番も1、1、1、1・・・と1だけつけ、店の力で品振りだけで急に必要ならその品番引っ張ってくれば良いやなんて思う店長がいたら、最悪です。
発注が分かると、何をどう考えてこの現場が、この品揃えがあるか分かるので、工夫もしやすいです。
品揃えがたとえ本社コントロールでも、現場からの要望も本質をつきやすく通りやすくなります。売上も獲得できるでしょう。