【現場力(販売力)で売ります】

駅ビル、SCがテナントに売上増を求める時の考え方です。

 「売上=客数✖️客単価」が大前提です。

 スタッフの皆さんに求めるのは客単価の向上です。

 セット率を上げるため、客単価を上げるため、ロープレ大会の開催、インナーコンペでセット率表彰をします。

 ショップ参加型のロールプレイングコンテストが開催され、現場力向上が図られます。

 結果、売上高の向上に結びつくという考え方です。

 ただ、行うだけででは、参加しづらいし、気持もついてきません。お祭りのように騒がしくて、楽しい物にしようとします。

 同時に、企画にショップが積極参加するかどうかや、協力姿勢が取引先にあるかなど、その体制を知ろうとします。

 当たり前といえば当たり前ですが、非協力な取引先と組むより、協力的な取引先と組む方が実績獲得には有利と考えるからです。

売上アップは、現場力だけでは無理?「商品力」「営業力」

 通常、ショップの力を知ろうとすると、売る力が身近な分、「販売力」を問いがちです。しかし売上向上の要素はこのほかにも、「商品力」と「営業力」があります。

「商品力」

 商品が悪くては売上は上がりません。商品が良ければ、売上は獲得しやすいです。同時に、物を選別する目があれば、売れるもの、売れないものは判断がつきます。

 商品毎の実績は、データに反映されています。どんな仕様の商品が人気があるのかはデータからでも確認できますし、もちろん店頭でのヒアリングでも分かります。

 実際売る現場のスタッフさんは肌感覚でも、そうしたどの商品に人気があるか分かるでしょう。

 また、売れる売れないは、お客様を見ていても分かります。

 自分たちのお客様の姿は、販売現場ならよりよくコミュニケーションをとって実感するでしょう。館の人間なら、巡回やヒアリングで判断がつかまくてはなりません。

「営業力」

 営業力も決して侮れません。

 ブランド全体のプロモーション以外にも、ロケーションにわせたプロモーションや、顧客特性に合わせた企画があれば、売上を獲得しやすいです。

 個別に店舗の個性で販促実施するより、統一した営業施策が好まれる傾向があると思います。

 一律の販促施策で実績が追いかけきれず、取り残されるようなお店は閉店すればいい、くらいに本部が思っているなら、個別施策にはあまり拘泥しないかもしれません。

お客様をお相手すると

 実際お客様と毎日コミュニケーションをとると、販売現場では、なんとかそのご要望を叶えようと思うものです。

 お声が集まるようなご不便があれば、早急な改善をと思うのが現場の特徴でしょう。

 そうしたお客様のお声を活かそうとすると、店舗特性に合わせての動きも出てきます。品揃え、プロモーションしかりです。

 売り方もフリー向けとか、顧客型とか、集客型の対応とか、店舗に合うようにします。

 本社からは、通り一辺倒でできないなら、撤退も致し方なし、次の契約に合わせて退店すればいいや、くらいでビジネスをしているのではと感じる取引先もあります。

 すると、最終的にはお客様にそっぽを向かれます。自分たちが先に背を向けたのですから、いつまでも追ってくれるほど、商環境は甘いものではありません。

 そうではなく、販売現場が感じていることをヒアリングしたり、改善したりすることの重要性を気づいているならいいんです。

購入客と決済率をデータで見ます

 デベロッパーは、お客様をデータ化します。実際に見て感じるより、データで見ます。フリー客だとか、素通り客だとか。

 「決済率が悪い、もっと接客回数を増やせば、売れるはずだ」とか指摘しがちです。ただ、現場を見るとどうしてそういうデータになるか分かります。

 例えば、自社カードやポイントカードのおすすめ、ラインでプロモーションとか、スタンプ押印とかレジで行います。

 多くの時間をレジで過ごしていたら接客回数が減るのは当たり前です。

 近くにストックが無いから他階にある、そこまで商品取に行けば、時間がかかります。お待たせしすぎても決済率は下がります。

 デベロッパーの家賃が高くて近い場所にストックルームを借りられないとか、自ショップ区画内のストックが十分でなく、商材を詰め込んでいて、目当てのものが探しづらいとか、理由は様々。

 そんな現場の事情が分かって、データから何か指摘するなら致し方ありません。

 現場を見ないで、画面でデータ見て指摘するだけなら、事務所に現場から店長を呼ぶだけ時間の無駄。ショップ宛のメールで済みます。

 売上の構造を分解したり、分解された項目を分析するのは優れていても、出てきた結果が何故そうなのかと、具体的改善策まで話し込めないなら、販売現場は運営できません。

それでも言えることです。

 取引先からのスタッフさんにはモチベーションを保っていてもらいたいし、売上向上に向け力を発揮して欲しいのです。

 皆さんは、館のスタッフや本部の人間を売上取るためのツールくらいに思ってみたらどうでしょう?

 自分が言うと角が立つことを、館のスタッフから本社に言ってもらうでもいいです。

 SVから館の担当者に、VPでコーディネート掲出を獲得してもらうでもいいかと思います。

 展示会に、館の営業責任者にも往訪をお願いし、友好関係を維持してもらうでもいいのでは。協力体制が強固な方が、色々と環境を整えてくれるので売上を獲得するのが楽になるものです。

 誰が自ショップに何を実施してくれると、売上が上がるのか、考えてみて下さい。

 現場力だけで実績向上するのは大変です。皆さんの方が多角的な取り組みして実績獲得に向け動いてみて下さい。一つでも上手くいくものがあれば、それはそれで方法です。

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