【物を扱うのに、その物の本来の魅力的な姿を知っています 】
ケーブルテレビのイギリスの番組です。
名車再生クラッシックディーラーズというケーブルテレビの番組があります。イギリスの番組で、マイクがディーラーでエドがメカニックです。
マイクが再生すると高値で売れると思われる中古車を買って、メカニックのエドが修理し再販売するという内容です。
利益幅が大きい時も、小さい時もあります。
マイクは70年代からのクラッシックカーの中古車をどう直すと高値になるか、よく知っています。伯楽でしょう。
エドはとにかく車そのものと構造に詳しく、正しく修理をします。
どう直すと高値になるのかというのは、車種によって異なります。その車が何の目的で、どんなドライブを楽しみたいのか、どんなユーザー向けなのか、作りがそもそも違うからです。
マイクとエドはその車がどんなユーザー向けに作られ、どんな特徴が喜ばれるのかをよくしっています。
クラシックカーと言いながら、2,000年代の電子制御の車も修理し再生します。直るまでや車種をどう扱うかを話し続けるというのがそのテレビ番組の内容です。
最後に転売して儲けを確定します。
物作りや目的に詳しい
誰に、何を、どうやって、いくつ仕入れていくつ売るかと言えば、小売りの基本です。このイギリスの番組をみていると小売りの構図を考えさせられます。
- 番組中選品させるクラシックカーの中古車は何でもいい訳では無く、再生させる価値が無いとダメ。
- 中古車が見つかっても修理の為の費用が掛かり転売時に利益が出ないとダメ。
- いざ修理が始まり正しく修理箇所を確定し、直さなくてはダメ。
- その車がマーケット要望されるように、全く異なる雰囲気になるよう手を加え無いとダメ。
- 実際に車が走るようにならないとダメ
- 出来上がった車を利益が出るように売らないとダメ
というような、見ている側がどうなっちゃうのだろうと毎回思わせて、それでも番組だから必ず着地するという内容です。
見終わった後、毎回同じ感想を持ちます。「この2人ほんとに車が好きで、詳しいなぁと」
物に詳しく、マーケットに詳しい、商売そのものに詳しい
自分も物を売る仕事について20数年、売るために色々な項目に詳しくなりたいとおもい勉強してきました。
見ているほうが必ず感心してしまうほど詳しいか分かりません。
それでも「知るは楽しみなり」、と思いながら少しづつ経験と知識を増やしてきています。
なので、取引で商談していても良く知っているなぁと思える方とそうでない方がいるのがわかります。
相手にとっても同様でしょう。お互いをリスペクトするなんて、今はそんな言い回しをよく聞きますが、自然と頭の下がる方とはいるものです。
販売現場ではどうでしょうか
実際に物を売る現場ではどうでしょうか?お客様には様々なアドバイスをして販売をしているとおもいます。
私自身も自分の買い物でファッションを購入する際には、沢山のアドバイスをもらいます。
今年の流行の生地の話、そういう風合いの生地が得意な生地会社の話。
ジャケットなら、丈のはなしから、ラペルの話。合せのパンツのシルエットの話。
更に、インのシャツは何色なのかとか、無地とか柄とか。次に、ネクタイとの色合わせやネクタイの表面感について。
靴との合わせをどうするかとか、今まで買い物した時の記憶をもとに、あの時はいていた靴なんか合いますよとアドバイスを受けます。
役に立つ知識のために
知っている知識を役立てるのは大変です。
車で例えましょう。どんなに頑張っても100キロしか出ない車で、100キロで走り続けたら、きっと車への負担はいかばかりかと思います。しかし、200キロまで出る車で、100キロで走るのならどうでしょう。
性能自体の半分の力なら、走りやすくありませんか。
知識って持っている知識全てをつかってお客様にアドバイスしてもいつかは自分が疲れてしまいます。
車の例同様で、自分の知識の半分でアドバイスしても、お客様に役に立つ知識があれば楽かと思います。
そう、そういう意味でも、物や商売、お客様について学び続ける必要があるのだと思います。なぜなら、世の中どんどん進化し、変化するから。
いつの時代にも必要とされる、そんなスタッフを目指して欲しいです。