【婦人用品 その2】
感謝セールも担当していました
何か新しく知識を学んで、その知識のおかげで助かったとなると、教えてくれた方は先生です。場合によっては恩人でしょうか。先生からその成果を褒めてもらえたら嬉しいものです。
2000年代半ばの頃。婦人用品業界の最大手の名称を冠した感謝セールが、定期的に行われていました。○○ール感謝セールと言えば、その名前で会場に来てくださるフリー客も多くいます。
ただ、支店でこのセールの1週間の実績は200万円代。決して褒めたものではありません。売上げ規模が下がるたびに、納品金額が下がります。すると更に実績が落ちるという負のスパイラルの中にいました。
取引先から、この先もう実施できないかもと話が来たのが、私が赴任後2回目のセール企画が終了した時くらい。大手の冠のあるセールも実施できない店舗となれば、その支店の店格が下がるのではと思っていますので、私も必死です。
そんな中、継続するためのトライアル期間を獲得します。先方の営業責任者の方の配慮です。同時に、用品セール運営の知恵を教えてもらいます。
セール開催の時期、サイズの品揃え、展開手法、上下セット組み、期中の追加在庫についてなど、先方の知識。これが役に立ちました。その結果、催事企画は継続されます。敵に塩をおくるではありませんが、その責任者の知恵で継続できたのです。
縁とは不思議なもので、転職後もその会社との取引がありました。郊外といえど同様に感謝セールの企画があります。
1週間で600万台。今度は、どう見てみポテンシャルがあるのに、頭打ちな実績に思えました。私は担当営業と商談し、かつてその取引先から教えてもらった知識で改善の提案をします。
しかしながらその時、その営業担当から大反対を受けます。しかも反対も反対「そんな事したら売上が下がる、元区画のショップの実績も降下する」と言うのです。
後は、その方法できるできないの言い合い。危機を救い、関係強化のきっかけにもなった取引先の知恵が、同じ取引先に通じないとは納得いきません。
「私の提案は、皆さんから教えてもらったものですよ。何処が悪いんですか?売上伸びますよ!」と。
結果、先方が折れて、私の提案通りの実施になります。その後数年かけて、2,000万弱の実績までアップします。
そんなある日の出来事。あの支店時代の取引先責任者の姿をそのセール会場にて見かけます。あっと思い、話しかけます。
どうやら、駅北口の百貨店(支店)(本店が新宿にあるファッション主力の百貨店)に呼ばれて来街したらしく、私のいる商業施設の感謝セールが盛況なので、状況を見て欲しいと言われたとも言っていました。
数年来の苦労を思い出しながら、色々教えてもらったことが今でも活きていますと伝えます。その方、ニコニコして私の話を聞いていました。
場所を変え、時を移しても通用し、更に競合他店さえ認める規模になっています。山あり谷ありで苦労する場面もあったセール企画の話。
この再会で、この催事企画のスタート時点からゴールにたどり着いたような気持ちになりました。ボードゲームの始まりとゴールのような。
それでもスタートからゴールまで、15年ちかくかかる道のりでした。