【売れない物を売る 】
過去 当たり前にやっていたからできる
売場展開で、商品編集力で売る時代がありました。
「売れるように工夫するんだよ!」と営業担当が何度も何度もスタッフに言う時代、現場は売るために何でもしていました。
展開分類の変更、グルーピングの見直しです。
どうすると魅力的に見えるのか?それが主題。それが叶えられるまで店頭をいじります。
色の並び替え、丈の並び替え。フェイスの変更と陳列連動での商品移動。コーディネートアイテムの変更と配置の変更。
畳みもののカットをハンギングしたり、その逆をしたり。
テーブルを後ろに移動させ、通路導線からのお客様の目線の行き先を変えたり。
売りたい品番に当たりがでるまで動かします。
残在庫を店頭の技量で減らすのだということを日常的に誰も意識せずに発言し、対応していたと記憶しいます。
今 売れ行きを単品管理で見られる
端末をたたけば、売れ筋品番はすぐ見られます。
その品番がどの店舗にどのくらいあるかもわかります。
セントラルコントロールで納入在庫を本社が管理するようになると、どの品番が残在庫になるか予測がつき、品番指定のにマークダウンを期中に行うこともあります。
在庫を残すより、価格訴求で薄利になっても売ります。
本当の意味での商品価値と定価との差を埋める作業ともいえるでしょう。
単品管理で端末で何でもわかると、店頭から察する力が落ちます。
店頭で、なにをどうすると動きの悪い商品が動きやすくなるのか経験しないスタッフが増えています。
見え方、セールストーク、相性の良いアイテムを探しコーディネート提案、は経験値が高い方の方が商品を見てすぐ気づきます。
価格訴求や、本部から品番指示で引くように通達があると、動きの悪い商品を売る努力をする経験が少なくなります。
訓練でできることは身に着けたい
徹底的に物と向き合う時間を持ちづらくなり、熟練度が低くなったと思う方もいるでしょう。
売れないのではない。売れることをしていないだけだと嘆く人もいると思います。
マークダウンを粉わず、引く指示の無いレベルの品番で、動きの悪い商材を動かせるスタッフもいますが、少数派の印象です。
機械化が人の感性なり気づきの能力を奪っと思うと残念ですが、効率化はそれ以上のものです。
売れない時代、売りづらい時代には、昔見た物の扱い方を思い出す場面もありますが、そうした場面を知る人も少なくなっています。
随分昔の例です
もう数十年まえ、エリートモデルズというブランドがありました。良いブランドでしたが少しずつ流行から遠ざかります。
そんな状況下で、意図的にトレンドはずしで物作りをしている、コーディネートはこうするのだと、絶妙なコーディネート提案する、そういうセールストークが上手な店長がいました。
台東区で販売していましたが、全国一番店でした。
売る技量が上手でも、売れ無いもの売っていたスタッフというのは存在します。
売れない時代に売るのは楽しい
皆さんどう売りましょうか。
システムやパソコンを見ているだけでは売れませんが、有効な情報は入手できます。
あとは、身に着けた技術をどう活かすか。もし試してきていないとおもうなら、一度試してみませんか。
店頭は活性化するし、何よりそういう挑戦は楽しいものです。