【だましうちの様な事もあります】
大事なブランドが競合他店に移っていきました
2010年代後半の事。当時芝浦に会社があるアパレル最大手のブランドが退店していきました。イギリス人のデザイナーブランドで、ウィメンの名前がついています。
特に赤字店でもなく、先方の都合です。首都圏をみる部門と、関東をみる部門が一緒になったのを機に、売り上げの順位をつけると、取引を休止せざるを得ないというものです。
人や商品、資源の集約といえば、ビジネス上ではある話とは思います。ただ、もう郊外での商売はできないし、難しいと思っているという話もあり、休止諾の決め手となりました。
場所(郊外の町そのもの)がNGならどう交渉しても難しいです。しかも、先方の営業責任者がアポもなくこちらの社長に面会を求め、直談判。どうやらかつての商売で顔見知りだった様です。
そのショップの店長との関係は良好で、色々な営業上の相談も日常的にできる状態でした。とてもじゃ無いが、販売現場で結果を出している店長には、納得できない話かと思います。
退店が決まり、その後店長は、新宿にあるファッションを得意にしている百貨店に異動していきました。郊外といえど、電車で新宿まで30分弱。顧客も新宿に引っ張るというのが先方の主張です。
その前にも同様に、その同じ会社の別ブランドの休止が決まっていました。こちらは実績が小さく、伸長はしていたものの、軌道に乗ったと言うには、後1年〜2年は必要な状況。
例え二桁増でも、倍々に増える訳ではありません。ただこのブランド、年間の取引先予算達成をして実績だけは伸びていました。
その最大手アパレル では年間実績表彰があるのですが、いざ実績表彰の段になって、セール売上を除くと予算達成では無いという、後出しのルールを言って、そのショップを表彰から外しました。
まぁ、休止しようとしているショップを表彰したくなかったのでしょうが、会社が提示した予算クリアは、現場のスタッフさんの努力の結果。急に基準を変えるなんて、あまり現場を大事にする会社とは言いがたい気がします。最大手ですが。
1年半後、最初の話題のイギリス人デザイナーのブランドは、駅北口の同支店(新宿に本店のあるファッションに強い百貨店の支店)に出店します。つまりは、出店自体はおそらく休止後、半年から1年後には決められたという事。
どうも後味の悪い出店です。この町では商売しないと言いながら、1年後にはもう趣旨変更。駅北口、隣の百貨店に出店を決めているのですから。
しかもオープンの時に見に行ってビックリ。なんと店長がそのままそのショップの店長として着任していました。新宿でその百貨店のシステムに慣らして、異動させたような、時間こそ1年半経過していますが、実はここが本配属でしたというような状況です。
休止の商談は、虚偽内容の商談だっと感じてしまう、後味の他店への移設でした(問いただせばその時はそういう方針だったと言うに決まってますが、相手は最大手ですし・・・)。
その後、その店長とよくコミュニケーションを取ります。その百貨店のイベント時の実績推移だとか、月内の実績進捗、牽引アイテム情報とか(百貨店では朝礼等で実績の進捗の話があるものです)。
旧交を温めるほどの時間は経過していませんが、そうしたコミュニケーションだけでも取ろうと思う他店移設事案でした。もちろん私は、その競合店にとっては、単なる素通り客です。