【これから世の中どうなっちゃうんだろうねぇ】

それでも今でも商売をしています

 私も小売の業界に入って、30年弱経ちます。「適品」「適時」「適量」は、社会人なりたての頃から聞いた言葉です。

 「適品」はお客様が求める商品で、「適時」がお客様が求める時に、「適量」がお客様が必要と思う数という理解で過ごしています。

 この「適品」「適時」「適量」を目指して品揃えをしますが、この言葉の通りには中々なりません。

 売れてしまって終わりなら、「適量」がかなえられていないし、売れていたのでどんどん追加したら売れるのが止まったとなれば、「適時」の要素が不足しています。

 よし売るぞと思って入荷させたものが、似て非なる方がよく売れ、頼んだものが売れないなら、「適品」では無かったという事。

 この「適品」「適時」「適量」を満足させるのは至難の業かも知れません。

 それでも上手く行く時があるとします。それで継続して翌年もと同様に思っても、お客様の生活様式が変ったり、どこぞが売り出した新商品の方が優れていたり、世の中が変化して前年のようには売れないなんてことはざらにあります。

 商売自体は常に変化の中にありますから。

 だからこそ、多くの業界人は原理原則を学んで、マーケットを見て分析し、分類を行って、商品、顧客、展開を考え、いくつ仕入れていくつ売るのかという計画を立て実行しているのだと思います。

 当てずっぽうで上手く行く方なんて、そんなところありませんから。

 しっかり学び考え抜いても、それもでも成功するところもそうでないところもあります。人材が育つところもそうでないところも、もちろんあります。

 また、私たちはそんな上手に商売しているところをよく研究して、成功事例に倣うのです。そして、また熾烈な競争が始まります。

 今、苦境にあっても、どんな大変な状況であっても、何とか伸長しさせる方法ってあるものです。本当に施策が見つかるのは、八方ふさがりになった時なのかもしれません。

 とある地区だけで通用するような、その地区を良く知る者だけが気づくような工夫があるかも知れません。

 経済を学んだ方は、やれ日本の状況がわるいとか、やれ特定業種で厳しいところがあるとか、いろいろ分析をして発信します。

 それでも、個別の企業で語る時、伸長する企業ってありますよね。もちろんその逆もあります。

 通り一遍等なら同じ傾向になって、皆が困る時に困り、皆が成功する時には全員成功することになってしまいます。

 世の中一時避難も方策の時がありますし、これでなくてはダメという事ではありません。

 学んできた原理原則と、今あるマーケットの変化と、自身の強みや弱み、持っている要素を変化させられるかなど、考える時なのかもしれません。

 店舗が閉鎖になれば、そこで奮戦してきたスタッフはいなくなります。同じ会社内で異動であれば、慣れ親しんだ仕事を継続できます。事業終了なら、場合によっては自分で働く先をで探すこともあり得ます。

 ニュースで名前が残るような社会的出来事は沢山あり、わたしも売場で「これから世の中どうなっちゃんだろうねぇ」なんて何度も会話してきました。それでも今でも商売をしています。

 どうぞみんなで「これから世の中どうなっちゃんだろうねぇ」って話してみて下さい。そんなきっかけで話し始めて、いいアイデアに辿り着かないとも限りませんから。

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