「いらっしゃいませ」の種類
同じ言葉でも使い分けて、ショップ空間を居心地の良い場所にする
「お店に入っても、いらっしゃいませ、の一言もないのよ」そんな苦情はたくさんあります。そのような事柄聞いた事ありませんか。
「いらっしゃいませ」と言ってもらえない事が苦情になったという例です。考察としては、言われなかったからご立腹されたのではありません。自分に気づいてもらえなかったから、苦情になるのです。お客様扱いされなかったという、お客様にとっては、不愉快な気持ちです。
聞いた事がありませんか?、「いらっしゃいませ」には大きく2種類あります。はっきりと分かるようなあなたに向けて言っていますという「いらっしゃいませ」と、空間・場に対しての「いらっしゃいませ」の2種類です。
例にした苦情の真意通り、お客様は気づいて欲しいのです。だからこそ「いらっしゃいませ」は必要なお声がけです。気づいて欲しいお客様には、そのお客様に分かるようにはっきり「いらっしゃいませ」を言って下さい。
同時に、場の「いらっしゃいませ」もあります。場や空間に必要な声がけ・声出しです。よく生鮮食品売場で威勢よく「いらっしゃいませ〜」って大声出している光景って思い浮かびませんか?ひときわ威勢よく、大きな声で、声出ししている様子は思い浮かべやすいですよね。その方が生鮮食品に鮮度があるように感じます。
生鮮売り場を例に、逆を思い浮かべて下さい、モゴモゴした様子でなんて言っているのか分からない小さな声で「いらっしゃいませぇ〜」って、声出しにもならないような様子を。鮮度やお買い物しようという気持ちを削ぐと思いませんか。
ファッション販売でも同様です。スタッフの元気(声出し)が買い物意欲を後押したり、その場の停滞感を壊して、活気を感じさせる事もできます。無意味に声出しを続けるのではありません、適宜行うのです。その場にいらっしゃるお客様のために声出しして、買い物する場としての空気・雰囲気を醸成するのです。
がなったり、売場にいる時間ずっと声出しするのとは違います。お客様のために良い空間作りをするのです。
同時に接客して欲しいと信号を出しているお客様には、はっきりあなたに言っていますという「いらっしゃいませ」をお声がけして下さい。気づいていますという発信です。
普段使っている接客用語だと思いますが、接客の第一印象が良くて困る事はありません。お品物のお決まりには有利な状況・雰囲気を作ったという事です。
30年近く前、私が百貨店で駆け出しの頃には、とにかく元気よく、大声で、一日中誰に向かってという事の無い、そんな声出しをするような指示がありました。
静まり返った売場より、うるさいくらいが良いという価値観です。「声出し隊長」なんてあだ名をもらいました。(新人の頃の話です)
そういう昔話を聞くと、しっかり区別した「いらっしゃいませ」の効力の方が、圧倒的にお客様には伝わりやすいと思いませんか。一日中がなり立てるような声出しをするより、お買い物しやすい雰囲気作りや、買い物しますというお客様のための声出しの方が有効であると。その方が当たり前であるし、するべきだって。
第一はお客様。新人時代から当たり前の様な「いらっしゃいませ」にもその意味をしっかり理解して身に染み付けたら、その「いらっしゃいませ」をお客様のために使いましょう。
当たり前の「いらっしゃいませ」ですが、お客様の買いやすいを意識してみませんか。
“「いらっしゃいませ」の種類” に対して1件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。